#6 「者」の読み方「シャ」か「ジャ」か



連濁の多くは<訓読み>の語の語頭でおこるが、「者」の場合のように、「シャ」が「ジャ」と
連濁する場合もある。
下に挙げた熟語例のように、連濁の多くは「ん」の後で起こっており、次いで「長音」の後に
起こる例がいくつかあるようだ。



連濁を起こす規則というものは統一的に記述するのは難しいとされているが、起こりやすい条件、
起こりにくい条件というのはある程度確認されているようだ。
「鼻音」の後、「長音」の後というのも、起こりやすい条件としてあげられている。
詳しくはこちらの#7のページで。

(1)前部要素が「ん」で終わる語の場合

いんじゃ【隠者】
えんじゃ【演者】注)「えんしゃ」とも
えんじゃ【縁者】
しんるいえんじゃ【親類縁者】
かんじゃ【患者】
   ※比較 かんしゃ【観者】注)「かんじゃ」とも
けんじゃ【賢者】
げんじゃ【験者】
しゅげんじゃ【修験者】
せんじゃ【選者】
   ※比較 ぜんしゃ【前者】
にんじゃ【忍者】
*ろんしゃ【論者】注)「ろんじゃ」とも
   ※比較 運命論者「ろんじゃ」

(2)前部要素が長音で終わる語の場合

おうじゃ【王者】注)古くは「おうしゃ」
   ※比較 おうしゃ【往者】
ぎょうじゃ【行者】
しゅぎょうじゃ【修行者】
しょうじゃ【生者】
*じょうしゃ【盛者】注)「しょうじゃ/しょうしゃ」とも
もうじゃ【亡者】
ちょうじゃ【長者】注)意味によっては「ちょうしゃ」とも

せいじゃ【聖者】



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