「もちろん」の意味と導入 [コメントする]

「もちろん」の意味と導入


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 02:36:17)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

No.715
投稿時間:03/05/08(Thu) 15:39
投稿者名:なっちゃん
Eメール:
URL :
タイトル:もちろん

 今回は、「もちろん」について、メールさせていただきました。
明日、買い物に行きますか?
もちろん、行きます。
 この場合、迷うことなく行く時に使うと思うのですが、、、初級の学生に理解してもらうには、どのように導入、説明すれば良いのでしょうか?
アドバイス、よろしくお願いします。m__m

No.718
投稿時間:03/05/09(Fri) 23:51
投稿者名:Oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:話し手の態度

こんにちは。Oyanagiです。

>  今回は、「もちろん」について、メールさせていただきました。
> 明日、買い物に行きますか?
> もちろん、行きます。
>  この場合、迷うことなく行く時に使うと思うのですが、、、初級の学生に理解してもらうには、どのように導入、説明すれば良いのでしょうか?
> アドバイス、よろしくお願いします。m__m

実は、私は授業は直接法でしたが、学習者は単語帳を持っていて、単語については母語の対訳がついていました。ですから、「もちろん」を日本語だけで「導入」したことはありません。使い方の「練習」はしたことがあります。「練習」で困ったという記憶がないので、「もちろん」は母語と同じように使える単語だと思っていましたが、“もちろん”初級の学習者に理解してもらえるように「説明」できるようにしたほうがいいですね。

「導入」「説明」にあたっては、教師の側で、「場面」とそれにあった「文型」を整理しておく必要があります。そして、どの場面でそれをするのかを決めます。
なっちゃんが例として挙げたのは(1)の場合ですね。

(1)疑問文に対する答えとして「もちろん」を使う場合
(2)自分の話の中で「もちろん」を使う場合

“もちろん”(1)でも(2)でも「もちろん」には共通する意味があると思うので、まずそれから整理しておきましょう。

■全体の意味
話し手(書き手)にとって「そのこと」「その答え」が当然だと考えられる場合に、『それは言わなくてもわかることだ』という意味で使う。
これまで書いた中で“もちろん”を二回使いましたが、使わなくても意味は通じるはずですが、使うことによって上に書いたような<話者の態度>が現れますね。この<話者の態度>というのが重要だと思います。これがどんな態度かをうまく説明できばいいのではないでしょうか。

■話し手の態度
「明日、買い物に行きますか」という質問に対して「もちろん、行きます」というのは、「迷うことなく行く」ということを表すと考えるのは間違いではありあませんが、「迷うか迷わないか」というのがポイントではなく、<その答え=(「行く」ということ)は、わざわざ言わなくてもわかることだ>という話し手の態度を表しています。

■疑問文の答えの場合
このような<それはわざわざ言わなくてもわかることだ>という話し手の態度だと考えると、
・「明日、買い物に行きますか」「明日、買い物に行くんですか」
・「明日、テストがありますか」「明日、テストがあるんですか」
この二つ疑問文に対する答えとして、つぎのような態度が読みとれます。

・「もちろん行きますよ」
  →<言わなくてもわかるでしょう>
   <わたしはそうしたいんですよ>
   (=そういう気持ちであることが当然であると主張する)
・「もちろんありますよ」
  →<言わなくてもわかるでしょう>
   <(いつも金曜日はテストがある日だから)それは当然のことですよ>

■導入の一例
さて、このような話者の態度がどのように「導入」で理解してもらうかですが、「明日、買い物に行きますか」のような文だと、うまくそれができないと思います。お互いに「買い物に行く」かどうかとう情報がどの程度<言わなくてもわかる>ことなのかが理解しにくいからですね。
ですから、まずは
★<言わなくてもわかる><当然だと考えられる>ようなことを<確認する>ような文を与えて導入するのがいいでしょう。

・その国で有名な歌手、タレントについて「○○を知っていますか」と聞く。
・だんだん身近な話題にする。「〜さんは、テストの前に勉強しますか」と聞く。

★次に上の練習に、理由をつけて話すようにする。
 「もちろん知っていますよ。有名ですから」
 「もちろん勉強しますよ。いい点を取りたいですから」

★そして、慣れて来たら、個人的なことについても使う練習がするのがいいでしょう。理由をつけて話すようにすれば「もちろん」であることがわかるはずです。(ここでは架空の話しでもいいでしょう)つまり、「そういう理由があるから、当然ですよ」という気持ちを表す文を作ります。

・「〜のパーティーに行きますか」
 「もちろん行きます。花子さんが来ますからね」

★個人的な話題を進めていくと、『人によって「もちろん」だったり「もちろん」ではなかったりする』ことがあります。
そうしたら、逆に「それは『もちろん』ですか」などと聞いて、『もちろん』の意味を確認させるのもいいでしょう。

こんなやりかたでどうでしょうか。“もちろん”これが一番だというわけではないので、これを参考になさってもっと楽しくできてわかりやすいのを考えて下さい。“もちろん”を使うと、<言わなくてもいいことを、なぜわざわざ言わせるの?>という態度が顔を出すことがありますからご注意下さい。ということで、私も使い過ぎたので、このへんで失礼します。(^^;

No.720
投稿時間:03/05/10(Sat) 17:25
投稿者名:なっちゃん
Eメール:
URL :
タイトル:Re: 話し手の態度


詳しく、お答えいただいて、本当にありがとうございます。そうですね、もちろん は、<当然だと考えられる>場合に使いますね〜。言われてみると、なるほど〜と思うのですが。。。普段使っている言葉なのに、わからない人に、理解してもらおうとすると、こんなに難しいものかと、思ってしまいます。これから、もっと、勉強して経験を積まないと、、、ですね〜。頑張ります!


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