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「倒置文」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 02:25:35)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

No.679
投稿時間:03/04/11(Fri) 01:09
投稿者名:アルバ
Eメール:alba2001@ytv.home.ne.jp
URL :
タイトル:倒置文

初めて投稿します。http://www3.tky.3web.ne.jp/~oyanagi/studyroom/14.html
で触れられている「倒置文」ですが、これの定義を教えていただけませんか?倒置は、普通は強調のためになされると思いますが、強調を目的としない場合、例えば「日本の首都は東京です。」の倒置文は「東京は日本の首都です。」である、といっていいのでしょうか。

No.680
投稿時間:03/04/13(Sun) 14:48
投稿者名:Oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:要するにサカサマ(でもちょっと複雑)

アルバさん、こんにちは。管理人のOyanagiです。
仕事の都合で家をあけていたので、レスが遅くなりました。申し訳ありません。

> 初めて投稿します。http://www3.tky.3web.ne.jp/~oyanagi/studyroom/14.html
> で触れられている「倒置文」ですが、

この考察ファイルで触れているというのは以下の部分でしょうか。
*****(引用)******
*倒置文/強調構文

この映画が一番おもしろかった。→一番おもしろかったの[=もの]はこの映画です。
私は木曜日に休みました。   →私が休んだの[=日]は木曜日です。
きのう山田さんが休みました。 →きのう休んだの[=人]は山田さんです。
私は友達の家に行きました。  →私が行ったの[=ところ]は友達の家です。
********************

>これの定義を教えていただけませんか?

倒置は文字どおり「(通常の語順)をさかさまにする」ということですね。それで、この<通常の語順>というのが何かによって、できあがった文型も異なると考えればいいのではないでしょうか。

一般的には、日本語
[主題]+[述部]の語順になっているのを
さかさまにして
[述部]+[主題]にしたもの、または

[補語成分]+[述部]の語順になているのを
さかさまにして
[述部」+[補語成分]にしたものが倒置文となります。

例)
 山田さんは来たよ →「来たよ。山田さんは」
 これは面白いよ  →「面白いよ。これは」

 東京に行ったよ  →「行ったよ。東京に」
 ごはんを食べたよ →「食べたよ。ごはんを」

そして、次にご指摘の考察ファイルに挙げられていた例ですが、
この場合は上のものとはちょっと違って、倒置された部分が「独立性」をもった文ではなく、主題としてとりたてられています。(つまり一文になっているってことですね)

これは先の強調とはちょっと異なりますが、話の前提となっている部分を改めて取り立てて、そして、新しい情報を提示するということで、結局は伝えたい部分を強調する構文だと考えてもいいのではないでしょうか。
これを倒置と呼ぶのは、通常の語順とは順番がさかさま、あるは入れ代わっているからだと考えればいいでしょう。

例)おもしろいのはこの本です(:あの本ではない)
  私が行ったのは東京です (:大阪ではない)
  私が食べたのはごはんです(:パンではない)

それだけでなく、(これが重要な点ですが)
★「〜が+述部」の文型の場合で、次のような文を『倒置指定文』と呼ぶ場合があります。
なぜそう呼ぶかというと、元になる『指定文』の語順が“さかさま”になっていると考えるからです。まず『指定文』が何かを理解しなければいけませんが、似ている文型に『措定文』がありますから、これと比較するとわかりやすいと思います。
(※漢字が似ていますから読み間違いに注意)

『措定文』は「〜」がどんなものかその属性を説明する文型です。

(1)山田さんは社長です。『措定文』
(2)山田さんが社長です。『指定文』

(2)の文は、「だれが社長かというと、それは山田さんです」という意味になっています。ですから、語順をさかさまにすると(3)になります。

(3)社長は山田さんです。『倒置指定文』

これを踏まえて、次の例を見ると、やはりこれらも「倒置文」と呼んでもいいでしょう。

 山田さんが休んだよ    →「休んだのは山田さんだよ」
 山田さんがそれを食べたよ →「それを食べたのは山田さんだよ」

なんかややこしくなってきたので、ちょっと整理しますが。

一般的に倒置と呼ばれる文は

・山田さんは休んだよ     → 休んだよ。山田さんは
・(私は)山田さんに会ったよ → 会ったよ。山田さんに

そして、補語成分を強調して提示したい場合に、前提になっている文を改めて取り立てて、新しい部分を提示するのも、語順がさかさまになったり入れ代わるので倒置文と考える。

・(私は)山田さんに会ったよ → 私が会ったのは山田さんだよ

そして、補語成分のうち、特に主語(=主格補語)の場合で、もとの文が『指定文』になっている場合には、語順をさかさまにすると、『倒置指定文』ができる。

・山田さんが休んだよ『指定文』 (休んだ人はだれか問題になっている場合)

 →休んだのは山田さんだよ『倒置指定文』


>倒置は、普通は強調のためになされると思いますが、強調を目的としない場合、例えば「日本の首都は東京です。」の倒置文は「東京は日本の首都です。」である、といっていいのでしょうか。

上で、この答えは出ていると思いますが、

「日本の首都は東京です」は『倒置指定文』です。
(つまりすでに倒置文ですね)
ですからこの倒置文を、「東京“は”日本の首都です」と考えるのは間違いです。これは『措定文』(:東京はどんな都市かを説明する文)で、『措定文』とは別の構文です。
問題の文は『倒置指定文』ですから、元に戻せば『指定文』になります。“は”ではなく、“が”ですね。

・「日本の首都は東京です」(倒置指定文)

 →「東京です。日本の首都は」(通常の倒置文)

 →「東京“が”日本の首都です」(指定文)

ということで、「強調」されているかどうかという判断は微妙ですが、相手にとって新しい情報(=それは東京であること)を伝えるという点では、倒置はやはり強調になっているのではないでしょうか。

倒置の役割は100%強調だとは言い切れませんが、何も効果がなく、倒置がされるということはないのではないでしょうか。

もちろん、倒置ではない指定文(「東京が〜」)の文も“〜が”の部分にストレスを置けば、強調されますが、これは読み方の問題ですね。

ちょっと急いで書いたので、まとまりがわるいですが、分かりにくい点があったら、また質問してください。


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