文末の「〜し。」(方言?) [コメントする]

文末の「〜し。」(方言?)


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 02:06:48)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

No.561
投稿時間:03/01/07(Tue) 22:33
投稿者名:acomilk
Eメール:acomilk@k8.dion.ne.jp
URL :
タイトル:文末表現「〜し。」ってどういうものですか?

はじめまして。
質問がありますのでよろしくお願いいたします。

私は今卒論研究のまさに研究のまとめを書いているところです。
研究の中で、動詞の否定形における方言(三重県方言)と共通語の使い分けに関するアンケート調査をしました。
そこで10代の方々の方言の方の回答に
(回答例)「行かんし。」、「行かへんし。」
という「〜し。」という文末表現の回答が多く見られました。

これは一体文法的にどういったもので、どういった意味を持つものなのでしょうか。
一応、自分なりに色々調べて「終助詞で強調の作用をもつ」という推測をしているのですが、確証あるいは正答を得たいと思っています。

方言表現の中の現象ですから方言話者でないと答えにくいと思いますが、
恐らく共通語で言えば「行かないし。」といった表現になると思います。

答えずらい説明かも知れませんが、ぜひ皆さんの意見が聞きたいと思います。よろしくお願いします。

No.563
投稿時間:03/01/10(Fri) 00:15
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:ちょっと確認したいことが

こんにちは。管理人のOyanagiです。

> そこで10代の方々の方言の方の回答に
> (回答例)「行かんし。」、「行かへんし。」
> という「〜し。」という文末表現の回答が多く見られました。

これは、どういう質問事項に対しての答えなのでしょうか。
それを書いてもらえると使われ方について考えることができるのですが。

> これは一体文法的にどういったもので、どういった意味を持つものなのでしょうか。
> 一応、自分なりに色々調べて「終助詞で強調の作用をもつ」という推測をしているのですが、確証あるいは正答を得たいと思っています。

確か、古文の時間に「間投助詞」として強調の用法があったと思いますが、現代語で、終助詞としてはどうなんでしょうかね。

> 恐らく共通語で言えば「行かないし。」といった表現になると思います。

この解釈がよくわからないので確認したいんですが、現代語で【接続助詞】としての用法がありますよね。
「雨も降っているし、風も強いし、出かけるのはやめよう」
などの「し」です。
そして、語法として、婉曲な言い回しにする場合に
「行くのはやめとこうよ、田中さんも行かないし」
のように、本来あるべき部分を取り立てない言い方がありますよね。
先の文はこのような使い方の「〜し」とは別だとお考えでしょうか。

実は文字だけではイントネーションが分からないので、判断がしにくいのですが、akomilkさんが、それとは違う「〜し」だと判断されるとしたら、それはどんな理由からですか?
そして、その「〜し」は否定文だけに現れるという特徴があるのでしょうか。

■蛇足
http://www.hmt.toyama-u.ac.jp/gengo/99BA.html
上の富山大学のサイトに「三重方言における否定表現の使用状況 〜使い分けを中心に」という論文を書いた人がいることがわかりました。タイトルだけの紹介で中身は見られませんが、検索していたら偶然ヒットしました。akomilkさんも同じことを研究されているのかもしれませんね。

それでは、レスをお待ちしています。

No.567
投稿時間:03/01/11(Sat) 01:21
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:追加情報

「最新 一目でわかる全国方言一覧辞典」Gakken(1998年)を見たところ、山梨県の方言で終助詞の用法がありました。

******引用********
「〜し」:〜よ(終助詞)『心配しちょシ、そんつれえ平気どう』
            (心配しないでヨ、それくらい平気だよ」
******************
三重県の項目には見当たりませんでしたが、終助詞として方言で使われているのがあることがわかったことは収穫かなと。

No.568
投稿時間:03/01/11(Sat) 03:37
投稿者名:acomilk
Eメール:acomilk@k8.dion.ne.jp
URL :
タイトル:Re: ちょっと確認したいことが

レスどうもありがとうございました。

実は、今朝論文をもう提出してしまったんです。
あえて、その「〜し。」という文末表現の機能には触れず、
「10代の人にはそういう傾向がある」で止めておいたんです。
自分の力量の無さにあきれてますけど。

しかし大変丁寧な返事をもらってうれしく思いますし、
やはりその「〜し」の文末表現についても気になりますので
案の定拙かった自分の説明に補足をつけたいと思います。

> これは、どういう質問事項に対しての答えなのでしょうか。
> それを書いてもらえると使われ方について考えることができるのですが。

「今夜は沢山宿題があってそれをするために「寝ない」ことをいいたいとき」
について自分のセリフを考えて記入してください。というものです。
そして、「家の中で家族と話す」時あるいは「普段友達とうちとけて話す」時
という状況も設定しています。
その回答が10代で「ねやんし。」「ねーへんし。」「ねやへんし。」
というセリフが多かった、という訳です。

> > 一応、自分なりに色々調べて「終助詞で強調の作用をもつ」という推測をしているのですが、確証あるいは正答を得たいと思っています。
>
> 確か、古文の時間に「間投助詞」として強調の用法があったと思いますが、現代語で、終助詞としてはどうなんでしょうかね。

そうですね。これも参考にしましたが、間投助詞ですからこれを根拠に判断したわけではないです。

> > 恐らく共通語で言えば「行かないし。」といった表現になると思います。
>
> この解釈がよくわからないので確認したいんですが、現代語で【接続助詞】としての用法がありますよね。
> 「雨も降っているし、風も強いし、出かけるのはやめよう」
> などの「し」です。
> そして、語法として、婉曲な言い回しにする場合に
> 「行くのはやめとこうよ、田中さんも行かないし」
> のように、本来あるべき部分を取り立てない言い方がありますよね。
> 先の文はこのような使い方の「〜し」とは別だとお考えでしょうか。
>
> 実は文字だけではイントネーションが分からないので、判断がしにくいのですが、acomilkさんが、それとは違う「〜し」だと判断されるとしたら、それはどんな理由からですか?

本来あるべき部分というのがこれらの回答からは見えてこなかったです。
ほかにも同様の質問で違う動詞についても調査しましたが、
単に「見やんし。」とか「書かんし。」とか、その一節(一文)だけでした。だから並列接続助詞の「し」とは受容できなかったんです
そいうわけで終助詞としての性格が強いのでは?と思い、
そうであるならばどういった意味を持つのかと考えたところ
強調にあたるのではと考えたんです。

> そして、その「〜し」は否定文だけに現れるという特徴があるのでしょうか。

動詞否定形についての調査でしたので動詞の否定形には現れると断言できますが、
別のところにもこの文末表現は現われるだろう(例:寝るし。)と思いますし、
否定文にだけ現われる特徴とは断言していないです。

度々面倒をおかけしますがレスよろしくお願いいたします。
あと、また説明が足りなかったら本当に申し訳ないです。

No.569
投稿時間:03/01/11(Sat) 20:41
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:追加情報2

山梨方言が気になったので、インターネットで山梨の方言のサイトを調べてみました。用例が載っているサイトがあったので書いておきます。
三重のように「否定形」と一緒に使われるという用法ではありませんが、「強調」という用法では共通したものがあるような気がします。

■東山梨地区の方言■
http://www.cosmo.ne.jp/~yamanasi/hogen/hogen.htm
*****引用********
8.特別な言い方
・禁止を表わす
行っチョシ(行くな) 食っチョシ(食べるな) しチョシ(するな) やっチョシ(やるな) ちょびちょびしチョ(調子ずくな)

・調子を強めたり、強意を表わす(動詞の命令形につく)
行けシ(行けよ) けけろシ(のせろよ) 早くこうシ(早く来いよ) やれシ(やれよ)
****************

No.570
投稿時間:03/01/11(Sat) 20:53
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:求む「方言情報」(三重)

acomilkさん、こんにちは。

> 実は、今朝論文をもう提出してしまったんです。
そうですか。何はともあれ無事に提出できたのは良かったです。

> 「今夜は沢山宿題があってそれをするために「寝ない」ことをいいたいとき」
> について自分のセリフを考えて記入してください。というものです。
> そして、「家の中で家族と話す」時あるいは「普段友達とうちとけて話す」時
> という状況も設定しています。
> その回答が10代で「ねやんし。」「ねーへんし。」「ねやへんし。」
> というセリフが多かった、という訳です。

なるほど、そのような質問での答えですね。
そうすると、私が「追加情報」で書いた、山梨方言とされる「強調」の「〜し」と共通した用法があるのかしれませんね。
ただ、(acomilkさんは否定してますが)接続助詞としての「〜し」という捉え方も排除はできないと思います。なにしろ、比較検討する資料が少ないので断定は難しいですね。

ということで、文末に現れる「〜し」を(否定形とともに使う場合も含めて)強調の意味で使っている地域があれば、情報をお寄せ下さい。

No.571
投稿時間:03/01/11(Sat) 22:43
投稿者名:acomilk
Eメール:acomilk@k8.dion.ne.jp
URL :
タイトル:Re: 追加情報2

レスありがとうございました。

oyanagiさんと同様に、
この板に目を留められた方がいらっしゃるなら、
広く意見を聞いてみたいです。

ところで

> ・調子を強めたり、強意を表わす(動詞の命令形につく)
> 行けシ(行けよ) けけろシ(のせろよ) 早くこうシ(早く来いよ) やれシ(やれよ)

この用法、とても気になり(似た感じ?)ました。
根拠は無いですけど。

あと、お尋ねしたいことがあります。
福井県と京都府の友人達も「〜し。」(同じ用法)(例:「行くし。」)
を使うそうです。
西部方言区域、中でも近畿方言区域にいらっしゃる方で
こういった使用法で使う方いらっしゃいますか?
それについて何か思うことあったら教えてください。

No.596
投稿時間:03/01/22(Wed) 21:26
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:追加情報3

方言辞典からの情報を追加しておきます。

先日図書館に行って辞典にあたってきました。
『全国方言辞典』東條操編(東京堂出版)に次のような説明がありました。

*****引用******
し [助]よ。「そうやシ」「行かれへんシ」大阪
***************
助詞の扱いで、「行けない」という可能形で使われていることを考えると、やはり
acomilkさんのお考えの『強調』の終助詞という使い方が関西のほうで使われている
と考えてよさそうでうね。

No.606
投稿時間:03/01/26(Sun) 22:34
投稿者名:acomilk
Eメール:acomilk@k8.dion.ne.jp
URL :
タイトル:Re: 追加情報3

> 方言辞典からの情報を追加しておきます。
>
> 先日図書館に行って辞典にあたってきました。
> 『全国方言辞典』東條操編(東京堂出版)に次のような説明がありました。
>
> *****引用******
> し [助]よ。「そうやシ」「行かれへんシ」大阪
> ***************
> 助詞の扱いで、「行けない」という可能形で使われていることを考えると、やはり
> acomilkさんのお考えの『強調』の終助詞という使い方が関西のほうで使われている
> と考えてよさそうでうね。

ありがとうございました。
一度私のほうでも確認してみます。


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