様態の「そう」 [コメントする]

様態の「そう」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 01:56:33)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

No.576
投稿時間:03/01/15(Wed) 14:42
投稿者名:さるリット
Eメール:
URL :
タイトル:そうだ!

こんにひは、私は日本語教員目指して勉強中のものです。
今日はアイデアをいただきにきました。
様態の「そう」は、動詞につく場合はあることが起こる直前の状態や可能性があることを表すことが多いんですよね?
でも、外観からの印象を述べているものもある。その例文について。
「お金がありそうだ。」「あそこに何かいそうだ。」これらは、外観からの印象を述べている例としていいですよね?その他にはどんなものがあるのでしょうか?

No.580
投稿時間:03/01/17(Fri) 02:51
投稿者名:oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:用法の整理(一例)

さるリットさん、こんにちは。管理人のOyanagiです。

どなたからの書き込みでも日本語教育に関連するのであれば歓迎ですが、個人のホームページの掲示板に書き込みをする場合にはもう少し日本語には気をつかったほうがいいと思いますよ。

> 今日はアイデアをいただきにきました。

この日本語を読むと、まるで「もらうことになっているのを取りにきた」みたいですね。そんな印象を受けるのは私だけでしょうか。

> 様態の「そう」は、動詞につく場合はあることが起こる直前の状態や可能性があることを表すことが多いんですよね?
> でも、外観からの印象を述べているものもある。その例文について。
> 「お金がありそうだ。」「あそこに何かいそうだ。」これらは、外観からの印象を述べている例としていいですよね?その他にはどんなものがあるのでしょうか?

この文章から察すると、さるリットさんは「お金がありそうだ」も「あそこに何かいそうだ」も『外見からの印象』を述べる使い方で、『可能性がある』ことを表す用法とは違うと考えているということですね。

でも、「お金がありそうだ」も「あそこに何かいそうだ」も確かにそうだとは言えないけども、その様子(外見)から「お金がある」「何かいる」可能性があると考えているとは言えないでしょうか。
確かには言えないことを推量するわけですから、広く見れば、すべてが「可能性」を表すと言えないこともありません。

初級では「おいしそうです」という「形容詞+そうだ」から学ぶはずですが、そこから考えてみると、『外観からの印象を述べる』という用法こそが「〜そう」の基本だと考えてみてはいかがでしょう。そして、それが動詞に続く場合にどのように意味が拡張していくかを考えてはいかがでしょう。以下に、用法と例文をあげておきました。分類はこれでなければいけない、ということは全くありません。あとは、さるリットさん自身で学習者に教えやすいように整理してください。

ちなみに、さるリットさんの知りたかったのは、下の分類では(2)です。

★「〜そうだ」の用法は「様態」と言われるように、基本は対象の様子・状態を見て、それがどうであるか推量することです。
 まずは形容詞から出発して、形容詞に近い動詞、そしてそれ以外の動詞へと進みます。

(1)形容詞
   ※形容詞ですから、当然現在の状態を推量することになります。
   「とてもおいしそうですね」
   「外はさむそうですね」

(2)動詞(状態表現)>いる、ある、〜ている
   ※「ある」「いる」は形容詞の延長で理解がしやすいと思います。
   「あそこに何かありそうですね」
   「あそこにだれかいそうですね」

   ※「〜ている」が状態を表すものもこのに入りますね。
   「あの人なら知っていそうです」
   「あの人なら持っていそうです」
   「あの人は結婚していそうですね」
   「この店なら売っていそうですね」

(3)動詞(状態表現)>可能表現
   ※したい、しようと思うことが実現するかどうか推量する用法です。
    単にできる、できないという「その人の力・能力」について
    述べるのであれば(2)に近い用法です。
   ※実現するかどうかに視点が当たる場合、すぐ先のことから将来のことまで
    時間の幅がありますが、基本はやはり現在の様子・状態を見て
    推量することです。

   「これなら私一人で持てそうです」→(2)に近い
   「これは一人で持てそうもありません」→(2)に近い
   「このマラソンコースだったら、2時間半で走れそうです」→(2)に近い
   「(窓越しに)こんな料理、とても私には食べられそうもない」→(2)に近い
   「これは全部食べられそうもありません」
   「疲れているからすぐに眠れそうです」
   「なかなか眠れそうもありません」

   「あすのパーティーには行けそうもありません」
   「あと10年は結婚できそうもありません」

   ※「わかる」はこの可能表現に含めてもいいでしょう。
   「もう少し時間があれば、答えがわかりそうだ」
   「何時間考えても、答えはわかりそうもない」

(4)動詞(現象・出来事・変化表現)
   ※現在の様子・状態を見て『もうすぐそれが実現する』と推量する用法です。
    動詞が現象・出来事・変化が実現するかどうかですから、(3)と同様
    すぐ先のことから将来のことまで時間の幅があります。

   「あ、荷物が落ちそうです」
   「気分が悪くて倒れそうです」
   「あ、もれそう!」

   「雨が降りそうです」
   「もうすぐ終わりそうですね」
   「こんなことをしたら、あとで叱られそうだな」

   「あと一週間はかかりそうです」
   「この先一か月はまとまった雨は降りそうもない」
   「この分だと法律はあと10年は変わりそうもない」

   ※「要る」は「足りそうもない」と考えるなら(2)に含めてもいいし、
    「これから必要になりそうだ」だったら(4)に含めてもいいでしょう。
   「もう少しお金が要りそうです」

(5)動詞(意志動詞)
   ※(5)の用法は「形容詞+そうだ」の延長で、
    その人の(現在の)性格・特徴・好き嫌いから判断して、そのような行動を
    とるか人どうかを推量しているわけです。
   ※ただし、文脈によって(4)の解釈が入る場合もありますが、そのベースには
    (5)があります。
    つまり、実際にこれからそのような行動をとるかどうかに視点が
    当てられれば(4)の用法の解釈がされるというということです。
   ※どちらにしても意志動詞は自分のことについては使われず、他者についてのみです。

   「彼女はどんな料理が好きかな」
    「(〜だから)生の魚は食べそうもないね」→(5)の用法
   「さしみを用意しても、彼女は生の魚は食べそうもないね」→(4)の解釈が入る

   「彼はまじめだから、マンガなんて読みそうもないね」→(5)の用法
   「マンガ本買っておいたけど、彼は読みそうもないね」→(4)の解釈が入る

   「もしこんなことをしたら、彼なら文句を言いそうだね」→(5)の用法
   「こんなことしたら、彼、文句言いそうだね。心配だな」→(4)の解釈が入る

   ※意志動詞が純粋に(4)の用法で使われることもないわけではありません。
   「あ、あいつ、そろそろ食べそうだよ。箸を持ったから」
   「あ、彼女、コートを取りに行った。もう帰りそうだね」

以上、初級で勉強するレベルで例文を挙げてみました。参考になさってください。


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