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「～にしては」と「～にしても」

過去ログ（管理人）さんのコメント
　(2003/10/14　14:59:51)

※これは過去ログを整理したものです。

[525] 「それにしては」「それにしても」投稿者：ゴン投稿日：02/12/06(Fri) 23:24

　Oyanagiさんこんにちは。今日、「それにしては」「それにしても」（自然な日本語）を授業で導入しました。失敗しました。。。。。。。自分で勉強していたとき、うまい導入方法が見つからず、あやふやなままで授業をしてしまいました。。やはり、自分がはっきり分かっていないと、生徒はもちろん分かりませんよね。反省しています。
　ところで、この①「それにしても」②「それにしては」。②は生徒も理解できたようです。（完璧ではないでしょうが。。）問題なのは①です。
例えば、『疲れてるんだろうけど、それにしても寝すぎですね』⇒疲れているのは、分かる、認めるけど、しかし寝すぎですね。のような感じで教えてしまいました。この文は、逆接の文ではないですよね？？でも、しかしを使ってしまえば、逆接だって思ってしまうのも当たり前で、で、そう思ってしまうと、「それにしては」と一緒か？？ってことになってしまって。。。大失敗です。
　この文型の導入ポイントを教えていただけませんでしょうか。自分で改めて考え直したものが、また的外れになるかもしれないと思うと不安です。よろしくおねがいしいたします。この文型、簡単なようで、難しいです。。。
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[532] 「逆噴射」ではいけません投稿者：oyanagi 投稿日：02/12/17(Tue) 00:51

ゴンさん、レスが遅くなってすみません。
「自然な日本語」との格闘は続いていますね。
これまでけっこうこの教科書をほめていましたが、この課でこの「それにしては」と「それにしても」をいっしょに入れているのは感心しませんね。教えるほうも大変だし、学ぶほうも何が違うの？ってことになりがちです。実は私もけっこう苦労しました。
テキストについての「文句」はまた改めるとして、教え方のポイントを簡単に。（ほんとに簡単にです）
> 　ところで、この①「それにしても」②「それにしては」。②は生徒も理解できたようです。（完璧ではないでしょうが。。）問題なのは①です。
> 例えば、『疲れてるんだろうけど、それにしても寝すぎですね』⇒疲れているのは、分かる、認めるけど、しかし寝すぎですね。のような感じで教えてしまいました。
意味、用法を教えるとしたら、この説明でいいんじゃないですか。
★問題はこの後のフォローですね。このフォローが『逆』です。
（逆噴射をすれば飛行機も墜落するというものです）
>この文は、逆接の文ではないですよね？？でも、しかしを使ってしまえば、逆接だって思ってしまうのも当たり前で、で、そう思ってしまうと、「それにしては」と一緒か？？ってことになってしまって。。。大失敗です。
この失敗の原因は、『限られた用法をもつ語句』の説明を『より広い用法をもつ語句』でまとめたことにあります。
この場合は、「～にしても、それにしても」＜「しかし」
という関係になっていますよね。だから、おさえるべき点は
★「しかし」「でも」という意味なんだけど、
★『それは理解できるけど、現実の程度が予想を超えている』という気持ちを表す
場合に使います。
というふうに、より大きな「しかし」で締めくくるのではなくて、「しかし」でおおざっぱにおさえて、そこから使い方を限定する方向で導入しないとだめでしょう。
中級の表現文型とはそういうものが多いです。
ですから、ゴンさんはきちんと使い方を理解していたのだと思いますよ。ただ「説明の仕方がまずかった」のだと思います。
初級で学んだ、より広い用法をもつ文型から、中級の表現文型に入ると同じような場面によく遭遇します。用法が限定されるということは、ただ「意味がわかって、どんどん文が（自由に）作れる」ことが少なくなるってことです。
ですから、補足しておけば、先に投稿したように、（広い意味で）「文型」で教えるということが重要になります。『どんな場面で、どんな文型でよく使うのか』ということを教師がよく把握して、単に意味／用法を説明しただけで終わりにしないように注意したほうがいいと思います。
（今回はちょっと辛口でしたが、これからも「自然な日本語」と格闘していってください。）
この教科書のちょっと変なところはまた改めます。

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