「〜は〜が・・・」の構文 [コメントする]

「〜は〜が・・・」の構文


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 14:32:46)

※このスレッドに関連して、勉強部屋の「頭のトレーニングルーム」に文法問題と解説があります。

第6回「〜は〜が」


「私は仕事が忙しい」の構文

過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 14:34:13)

※これは過去ログを整理したものです。(管理人)

[494] 仕事が忙しい 投稿者:kevin 投稿日:02/11/13(Wed) 12:19

考えていたら、少しわからなくなったので、アドバイスをお願いします。
わたしは忙しいです。 のときは、主題「は」ですね。でも 「仕事」の時には 仕事が忙しいです。 になりますね。「わたしは仕事が忙しいです。」この文は 象は鼻が長いです の構文とは ちがう気がするのですが。。。宜しくお願い致します。 
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[498] 「忙しい」を考えてみると 投稿者:oyanagi 投稿日:02/11/14(Thu) 01:33 <URL>

kevinさん、こんにちは。管理人のOyanagiです。
> わたしは忙しいです。 のときは、主題「は」ですね。でも 「仕事」の時には 仕事が忙しいです。 になりますね。「わたしは仕事が忙しいです。」この文は 象は鼻が長いです の構文とは ちがう気がするのですが。。。宜しくお願い致します。 
簡単なレスですが、「XはYが・・・」という構文でみたときには、基本の部分では共通したものがあると思いますよ。ただ、細かくみれば、違う部分もありますね。
あまり話題を広げないように「XはYが〜」の構文のXとYの関係だけに絞って書きますね。
■「XのYは〜」とのつながり
「象は鼻が長い」に代表される構文は(日本語の初級の構文もそうですが)「XのYは〜」と言い替えることができます。(※意味が同じになるというわけではありあません)
そして(初級でも扱われるように)実際「XのYは〜」に言い替えることができるものが多いです。
なぜ多いかと言えば、それが<話題>の「は」と<主格>(または<対象>)の「が」の概念とよく一致するからだと思います。
まず話題となるべきもの(大きい枠組み)を示して、その中で対象となるべきものを指定するというのはイメージ図を書くと次のようになりますよね。
  −−−−<は>−−−−
 |           |
 |    <が>    |
 |           |
  −−−−−−−−−−−
そうすると、「AのB」の基本である「A:所有するもの=含む全体」と「B:所有されるもの=含まれる部分」という関係と共通することになります。それを拡張していくことで関係を分類することが可能です。
(1)全体と部分:「彼は足が長い」→「彼の足は〜」
         「あの店は料理がおいしい」
(2)所有   :「彼は車がポルシェだ」→「彼の車は〜」
         「彼はアクセサリーが派手だ」
(3)親族関係 :「彼は父が医者だ」→「彼の父は〜」
このように言い替えができるものと比べると、「私は仕事が忙しい」は「私の仕事は忙しい」という文に自然に言い替えができそうもないですね。しかし、まず<全体>として「私」を取りあげ、その私についてのうち、「私の仕事」を指定してそれがどうであるか述べるという”基本的な部分”は同じだと考えてもいいのではないでしょうか。
■語彙のもつ情報
それでは「仕事」の文は「鼻」の文と何が違うかというと、『語彙の意味特徴』だと考えられます。
構文を最優先に考える学者もいるようですが、やはり単語のもつ意味(=その単語が表わす事態を人間がどうみるか)が基本と考えるべきだと思います。
述語をみると、「長い」と「忙しい」ですね。同じ形容詞だとはいっても、
★「長い」:物事の形状(という属性)を表わす形容詞
★「忙しい」:人のおかれた状況を表わす形容詞
ではないでしょうか。このような特徴を考えると、
「長い」は「Xは長い」という言い方がごく普通にできるのに対して、「忙しい」のほうは「X」に人が来ないと非常に座りの悪い文になることが良そうされます。
つまり、「仕事」は『大変だ』という認識はできても、「仕事」自体を指して「忙しい」と属性を示すのは変だと感じるために、「仕事は忙しい」という文が不自然になるのだと思います。
一方「仕事が忙しい」が自然に感じるのは、kevinさんがお考えのように『(わたしは)仕事が忙しい』ということでちゃんと<人>が話題になっているからでしょう。
■まとめ
ということで、基本的な部分で「XはYが〜」の特徴を共有していますが、語彙の意味特徴から「忙しい」という形容詞は「(<人>は)<仕事>が忙しい」という組み合わせが自然になり、「(<人>の)仕事は忙しい」は不自然になります。
同じことは、<人>を(明示しない場合であれ)指定する形容詞では起こると予想されます。
「痛い」
◯「足が痛い」
?「足は痛い」     ??「私の足は痛い」
◯「(彼は)数学が強い」
?「    数学は強い」 ×「彼の数学は強い」
■補足
上で?をつけた文についてですが、基本から少し離れると自然になることがあります。
それは、いわゆる<対比>の「は」と呼ばれるものですね。
◯「仕事は忙しいけど、デートする時間くらいはあるよ」
◯「足は痛いけど、手は大丈夫です」
◯「数学は強いけど、物理は苦手だ」
などなど。
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一項述語と二項述語

過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 14:57:15)

※これは過去ログを整理したものです。(管理人)

[530] 述語の種類 投稿者:半熟 投稿日:02/12/13(Fri) 23:09

oyanagi先生、こんにちは。
トップページのデザインが新しくなりましたね。 (^v^)
特に写真のところが いいですね。
また、質問してもよろしいですか?
質問1 二項述語とは二つの必修補語をとる述語ということですか?
アルクの問題集の解説の中に、この用語が出てきました。
「異質なものさがし」タイプの問題で、[観点]は、ひとつは[述語の種類]
で、もう一つは[「〜は…が」構文の種類]でした。例をあげますと、
「娘は足がスラリと長い」は一項述語、
「奈緒は英語が得意だ」「みんなでピザを注文した」は二項述語、
「実家は子供を預けた」は三項述語となっています。
「〜は…が」構文といえば、頭のトレーニングルーム、拝見いたしまし
た。とても参考になります!
質問2 (a)「Aさんは字が上手だ」と、(b)「Aさんは字がきれい」は、
構文の種類で考えると、違うものですか? (観点にもよるのでしょうが)
(a)の文は、上手なのはAさん(ちょっとくるしいかな?)だけど、
(b)のきれいなのAさんではなくて字ですよね。
頭のトレーニングルーム2の(あ)〜(お)分類の仕方だと、
(a)は Aさんが字が上手なコト Aさんの字が上手なコト(?) 
 (い)になると思います。
(b)は Aさんの字がきれいなコト で(う)(問題2ではそう扱われて
いますね)
(c)「Aさんは字がうまい」だと、どうでしょうか。両方??
だんだん、頭がこんがらがってきました。(><)
質問3 (a)(c)は二項述語で、(b)は一項述語でしょうか?
すみません。なんだか、よくわからなくなってきました。
もしかして、全く見当違いの事を言っているかもしれません。
どうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m
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[531] それでいいと思いますよ 投稿者:oyanagi 投稿日:02/12/17(Tue) 00:32

レスが遅くなりました。Oyanagiです。

> トップページのデザインが新しくなりましたね。 (^v^)
> 特に写真のところが いいですね。
どうもどうも、ときどき、「裏」の写真を自分の顔にしておこうかなって思います(遊び心で。)
今回は簡単にレスをつけておきます。
実は「頭のトレーニングルーム」を久しぶりに読み直してみて、自分でも驚いています。(こんなエネルギーがどこにあったのかと。笑)

> 質問1 二項述語とは二つの必修補語をとる述語ということですか?
>
> アルクの問題集の解説の中に、この用語が出てきました。
> 「異質なものさがし」タイプの問題で、[観点]は、ひとつは[述語の種類]
> で、もう一つは[「〜は…が」構文の種類]でした。例をあげますと、
> 「娘は足がスラリと長い」は一項述語、
> 「奈緒は英語が得意だ」「みんなでピザを注文した」は二項述語、
> 「実家は子供を預けた」は三項述語となっています。
〜項熟語の考え方はそれでいいと思いますよ。
「長い」は『何が長いか』っていうことで、主格だけを持つ<一項述語>ですね。
「得意だ」は『誰が得意か』で、主格にあたる人と、『何についてと得意なのか』ってことで、対象にあたるものが必要ですから<二項述語>ですね。
「注文する」は見たとおり対象の「を格」をとる<二項述語>ですね。
「預ける」は英語でえ言うところの、二重目的語(〜に〜を)をとりますから、<三項述語>ということになります。(例文には「〜に」の部分がわざと書かれていないのかな?)
> 質問2 (a)「Aさんは字が上手だ」と、(b)「Aさんは字がきれい」は、
> 構文の種類で考えると、違うものですか? (観点にもよるのでしょうが)
>
> (a)の文は、上手なのはAさん(ちょっとくるしいかな?)だけど、
> (b)のきれいなのAさんではなくて字ですよね。
> 頭のトレーニングルーム2の(あ)〜(お)分類の仕方だと、
> (a)は Aさんが字が上手なコト Aさんの字が上手なコト(?) 
>  (い)になると思います。
> (b)は Aさんの字がきれいなコト で(う)(問題2ではそう扱われて
> いますね)
そうですね。上の考え方でいいと思いますよ。もう一度整理すると、
★「Xは字が上手だ」
「上手だ」は人について述べる述語ですから、まず主格として「人」が必要です。そして、「何について上手なのか」という対象が必要ですね。その部分が「字」ですね。だから、<二項述語>のタイプですね。
★「Xは字がきれいだ」
意味だけ見れば上と同じですが、構文上は異なるという「考え方」ができます。
「きれいだ」は「何が(きれいか)」の「何」の部分だけが必要な述語ですから、<一項述語>です。ですから、「考え方」としては、「Xの字がきれい(なこと)」というのがコトの類型で、「Xの」の部分が主題化して、「Xは字がきれだ」になったと考えます。

> (c)「Aさんは字がうまい」だと、どうでしょうか。両方??
「うまい」を「上手だ」と同じ意味で使う場合には、「上手だ」と同じように<二項述語>で、「Xは[対象の]が〜」の文型だと考えればいいでしょう。「Aさんはうまい」と文が、ほんとにAさんがおいしい」の意味なら<一項述語>ですけどね。(笑)つまり、「Aさんはもものところがうまい」とか。
> 質問3 (a)(c)は二項述語で、(b)は一項述語でしょうか?
上に書いたとおりです。
以上ですが、後学のために、アルクのどの問題集か教えて下さい。よろしくお願いします。これも文章問題ならそんなに難しくないと思いますが、単に五択の問題で仲間はずれを選ぶ、だと難しいかもしれませんね。実際にこの手の問題が出題されるのなら、「頭のトレーニングルーム」も更新しなくてはいけませんね。(そのエネルギーがあればの話ですが)
東京で雪が降った日から風邪をひいて、頭がぼ〜としっぱなしですから、もしからしたら落とし穴にはまっているかもしれません。何かへんなところがあればご指摘下さい。
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[535] 麺がうまい 投稿者:半熟 投稿日:02/12/18(Wed) 02:49

ありがとうございました。 (*^-^*)
> どうもどうも、ときどき、「裏」の写真を自分の顔にしておこうかなって思います(遊び心で。)
ぜひぜひ! では、これからは、見逃さないように毎回チェックするように
しますね〈笑)
 
> 実は「頭のトレーニングルーム」を久しぶりに読み直してみて、自分でも驚いています。(こんなエネルギーがどこにあったのかと。笑)
まったく、頭が下がります。ルーム1も2も両方 拝読しましたが、とても
勉強になりました。心なしか正解率もアップしたように思います。
感謝感謝! 
> そうですね。上の考え方でいいと思いますよ。もう一度整理すると、
>
> ★「Xは字が上手だ」
> 「上手だ」は人について述べる述語ですから、まず主格として「人」が必要です。そして、「何について上手なのか」という対象が必要ですね。その部分が「字」ですね。だから、<二項述語>のタイプですね。
>
> ★「Xは字がきれいだ」
> 意味だけ見れば上と同じですが、構文上は異なるという「考え方」ができます。
> 「きれいだ」は「何が(きれいか)」の「何」の部分だけが必要な述語ですから、<一項述語>です。ですから、「考え方」としては、「Xの字がきれい(なこと)」というのがコトの類型で、「Xの」の部分が主題化して、「Xは字がきれだ」になったと考えます。
はい! よくわかりました。^^
> > (c)「Aさんは字がうまい」だと、どうでしょうか。両方??
>
> 「うまい」を「上手だ」と同じ意味で使う場合には、「上手だ」と同じように<二項述語>で、「Xは[対象の]が〜」の文型だと考えればいいでしょう。「Aさんはうまい」と文が、ほんとにAさんがおいしい」の意味なら<一項述語>ですけどね。(笑)つまり、「Aさんはもものところがうまい」とか。
ここを読んだ時、あるテレビのコマーシャルを思い出しました。
「麺が すごく うまい!!」(だったかな?たしか・・・。)
カップラーメン(?)のCMで、教室の壁一面に習字の作品が貼ってあって
その中で「麺」という字が、ひとつだけ ずばぬけて うまいんです。
「上手い」と「美味い」を掛けているんですね。
個人的には、インパクトもあって、結構好きなCMなんですが・・・。
おもしろいですね。この文で、「うまい」が「おいしい」の意味なら
一項述語で、「上手だ」という意味だと二・・・・・・あれ? 
「私はスケートが上手い」だったら二項述語ですが、「麺(という字)が
上手い」の「上手い」は、「きれいだ」と同じように一項述語と考えてよい
のですか? この「上手い」というやつは、なかなか曲者ですね。 (--;
> 以上ですが、後学のために、アルクのどの問題集か教えて下さい。
失礼しました。
第10回〜第12回 傾向徹底分析問題集の119ページ、問題1の(3)と(5)
です。(第11回 文法・文体より)
『アルク地球人ムック 日本語教育能力検定試験 合格するための本』'99
にも同じ問題が載っていると思います。 
金曜日は、いよいよ忘年会ですね。私は勉強中の身ですから参加することは
できませんが (T-T) どうぞ楽しんでいらしてくださいね♪
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[541] 「面」と「麺」のデュエット? 投稿者:oyanagi 投稿日:02/12/20(Fri) 03:49

> ここを読んだ時、あるテレビのコマーシャルを思い出しました。
>
> 「麺が すごく うまい!!」(だったかな?たしか・・・。)
そのコマーシャルって、剣道の道場で「メン! メン!」って何回も言うやつでしょうかね。
それは剣道の「面」という技と「麺」をかけているんですよね。
ということは、
> 「上手い」と「美味い」を掛けているんですね。
ですよね。
一項述語と二項述語をかけ合わせてたわけですね。
(まあ、CMを作った人はそんなこと考えてないはずですけど)
> おもしろいですね。この文で、「うまい」が「おいしい」の意味なら
> 一項述語で、「上手だ」という意味だと二・・・・・・あれ? 
> 「私はスケートが上手い」だったら二項述語ですが、「麺(という字)が
> 上手い」の「上手い」は、「きれいだ」と同じように一項述語と考えてよい
> のですか? この「上手い」というやつは、なかなか曲者ですね。 (--;
う〜ん、「麺」という字を見て、「うーん、うまい」と評価したらどうなるのか?ってことですね。
その字の背後に人が見える場合(つまり作者を意識すれば)二項述語で、字そのものを評価しているんであれば、一項述語かな?
でも、火であぶったら麺という字が浮かび上がったっていうわけじゃありませんからね。字はだれかが書いたものだっていうのは意識されるから、やっぱり二項述語でしょうかね。
まあ、そんなにどちらかに決めなくてもいいかなとも思いますけどね。
「面」と「麺」の問題が今度の検定試験に出たらいいんですけどね。(笑)
書籍の情報、ありがとうございました。さっそく見てみます。
これからも<勉強部屋>をご利用ください。
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■「〜まで+否定形」

[534] 〜まで 投稿者:かずき 投稿日:02/12/18(Wed) 00:22

こんばんは。初めて質問させていただきます。
「〜まで」ですが、1998年まで知られていなかった。という文があり、1998年は含まれないと説明したのですが、定期券は12月25日まで有効。とあり、25日は含まれる!!と言われてとても困ってしまいました。どなたか教えていただけないでしょうか。
宜しくお願いします。
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[537] 「〜まで+否定形」はくせものです 投稿者:oyanagi 投稿日:02/12/18(Wed) 23:38

かずきさん、こんにちは。管理人のOyanagiです。
このテーマで以前どこかに投稿したと思ったのですが、思い出せないので、参考図書だけとりあえずあげておきます。もし入手できれば御覧になってください。
引用と解説はまた改めますね。
→月刊日本語1993年7月号(アルク)
『そこが知りたい 日本語何でも相談』の中に
*「彼は月曜日まで来ません」彼に会えるのは月曜日?それとも火曜日?」という質問とその解説が載っています。
ーーーーー
【一言レス】
「今回を見のがすと、4年後の2006年まで見られないよ」
なんて文を考えると、「〜年まで〜ない」という文で、「〜年」は含まれないと言い切ってしまうのは問題ですね。
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