「〜のに」と「〜というのに」 [コメントする]

「〜のに」と「〜というのに」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 13:54:39)

※これは過去ログを整理したものです。(管理人)

[439] 「〜のに」と「〜というのに」の違い 投稿者:ゴン 投稿日:02/08/26(Mon) 16:51

 こんにちは。Oyanagiさんに質問があります!自然な日本語の10ページ。用例8なんですが、「先生なのに、漢字が苦手です。」「先生だというのに、漢字が苦手です。」この2つは意味一緒ですよね?この2つの使い分けは一体どうなのかと疑問に思いました。固い表現?年配の方がよく使う??それとももっと他に違いがあるのか???
 私は「〜というのに」という言葉は日常でほとんど使っていないような気がします。Oyanagiさんは使っていますか??私はあまり使っていない。祖父母が使っていることがある気がする(?)、ということで、私は〜というのには、『固い表現/年配の方が使う』というふうに考えました。
 Oyanagiさんの意見を聞かせてください。よろしくお願いします。 
------------------------------------------------------------------------
[442] 「〜という」を使う時の意識は? 投稿者:oyanagi 投稿日:02/08/29(Thu) 01:24 <URL>

ゴンさん、こんにちは。
指名で質問をいただくと、とりあえず何かレスをつけなくては思い、気がついたことを少し。
私自身は「〜というのに」が<固い表現><年配の方の使う表現>と思ったことはないのですが、ゴンさんはこの二つを無意識に使い分けているということはないですか。それとも慣用的なものだけ「〜というのに」を使っているのでしょうか。
たとえば、参考書のたぐいではよく出ている
「もう4月だというのに、風が冷たい」

「もう4月なのに、風が冷たい」
というと、確かに意味していることは同じなのですが、やはりニュアンスの差ってありますよね。
おそらくこのニュアンスを生み出す原因になっているのがあって、それが最終的に(人によっては)固い表現だとか、年配の人の使う表現だと感じさせる効果を生んでいるのでしょう。
つまり、
 ・「〜という」の基本的な用法
     ↓
 ・「〜というのに」が
  「〜のに」と違う【ニュアンス】を生む
     ↓            ↓
 ・<固い><年配の人が使う> ・???という効果が生まれる
  と感じる効果が生まれる
     
ということで、他の人は同じ出発点から出ても、違う効果(???の部分)を感じ取るかもしれませんね。
☆自分で内省してニュアンスの違いがあまりわからないときには、原点に戻ってみることも必要です。そもそも「という」とは何かって。
☆次にやってみることは、「のに」だけのとらわれずに、「〜という」がつく形式とつかない形式があるものを観察してみることです。それで何かわかったら同じことが「のに」と「〜というのに」にもあてはまるかもしれませんからね。
考え方だけ書いただけですが、続きはまた改めて。
------------------------------------------------------------------------
[447] ありがとうございました 投稿者:ゴン 投稿日:02/09/02(Mon) 21:05

こんにちは。「〜というのに」と「〜のに」について、日本語学校の先生に「先生だったら、どうやって教えます??」とうかがったところ、「意味は同じだから、深くは考えずに、ほとんど一緒ってことで教えちゃうわ」という先生もいれば、「試験なのに、勉強しません」と「試験だというのに、勉強しません」だったら、「〜というのに」の方が、一般論的で、「誰もが試験のときは勉強する前提なのに、勉強しない」というニュアンスになるとか、様々です。私は、まだこの微妙なニュアンスをうまく説明する自信がなかったので、「ほとんど意味は同じです。」と説明し、接続の仕方だけ教えました。これでは説明不足かもしれませんね。。。。。。
自然な日本語、難しいです。。。。。でも、教えるのはとても楽しいです。
これからもがんばります。
------------------------------------------------------------------------
[463] Re: ありがとうございました 投稿者:たか 投稿日:02/10/06(Sun) 11:22

>「意味は同じだから、深くは考えずに、ほとんど一緒ってことで教えちゃ>うわ」という先生もいれば、「試験なのに、勉強しません」と「試験だと>いうのに、勉強しません」だったら、「〜というのに」の方が、一般論的>で、「誰もが試験のときは勉強する前提なのに、勉強しない」というニュ>アンスになるとか、様々です。
「意味はほとんどおなじ」,確かにそうですが、この形が出てくるのは初級の終わりか中級に入ってからだと思います。
中級になれば、意味がおなじでも,より高度な表現が次々出てきます.学生にはそれを使いこなせるように指導していく必要があります.どんなときにそれを使うと効果的か、
1.「もう結婚式が始まっているのに新郎はまだ姿を見せない。」
2.「もう結婚式が始まっているというのに新郎はまだ姿を見せない。」
2の方が話者の疑問、不満が強調されると思いませんか.
2の方はもしかすると,新婦は置き去りに?
1.「春なのに,気温が40℃もある」
2.「春だというのに,気温が40℃もある」
異常気象に対する話者の不安感が強調?
「酷暑だというのに彼女は長袖を・・・」
「正月だというのに,彼は実家に帰らない」 
面白いシチュエーションはいろいろ出来ますね。
中級、上級の醍醐味は,教師がいかにして,学生にあたらしい表現を楽しんで身につけさせるか、イメージが彷彿とするような例文をいかにたくさん用意するかそれにかかっていると思います。
日本語を教えるのは面白いですね。
------------------------------------------------------------------------
[465] たかさんの言うとおり! 投稿者:ゴン 投稿日:02/10/07(Mon) 17:33

たかさんのメッセージを読んで、「その通りだわ!」と思いました。日本語には同じような意味の文型がたくさんありますね。その違いを、初級者だったら「だいたい同じです!」でいいかもしれません。しかし、中上級になったら、微妙なニュアンスも分かりやすく説明して、理解してもらいたいですね。
 これからは、「だいたい同じ!!」という説明はしないぞ!!!と思いました。そのためにも自分で1つ1つニュアンスの違いをじっくり考えなければなりませんね。その違いを説明するのは大変なことですが、がんばります!
 たかさん、ありがとうございました。
------------------------------------------------------------------------
[470] 「という」と「のに」が組むと? 投稿者:oyanagi 投稿日:02/10/09(Wed) 01:55 <URL>

たかさん、こんにちは。管理人のoyanagiです。
先の投稿では考え方だけちょっと書いただけで失礼しましたが、たかさんの投稿とも関係することで、少し補足しておきたいと思います。
****************************************************
初級で引用の形式の「〜という」を勉強すると思いますが、その時は
(1)佐藤さんという人から電話がありました
のように「自分が知らない人については、『という』をつけることを学習させると思います。
ところが、
(2)日本という国は・・・
のような文を勉強させるときに、「日本」はもう知っている国なのにどうして「という」を使うのか、「日本は・・・」と何が違うのかっていることになってしまいます。
さらに、
(3)停留所というのはバスが止まるところです。
のように言葉の定義の時にも「という」が顔を出します。
こうやって使われ方をみてくると、「という」に共通する何かがが見えてきます。
取り立てる対象を客観的(=自分とは距離を置くとでも言いましょうか)に観る態度があるのではないでしょうか。
そうすると、この「という」と「のに」が組むとどうなるのか。
「のに」はそれだけで、話者の『意外・驚き・不満』などの態度を表わす形式です。つまりそれだけではかなり主観の強い表現です。
あえて簡略化すれば、『他の人はどう思うか知らないが自分はそんな事態に対してこう思う』という態度を示すと言えるでしょう。
それが「という」という形式が入ることによって、【自分との距離を置くこと(=それを少し離れて全体を眺めるイメージですね)】で、『だれが観てもそう思うだろうが』という態度が付け加わるのではないでしょうか。
それでたかさんがご指摘になったように、
> 1.「もう結婚式が始まっているのに新郎はまだ姿を見せない。」
> 2.「もう結婚式が始まっているというのに新郎はまだ姿を見せない。」
> 2の方が話者の疑問、不満が強調されると思いませんか.
> 2の方はもしかすると,新婦は置き去りに?
> 1.「春なのに,気温が40℃もある」
> 2.「春だというのに,気温が40℃もある」
> 異常気象に対する話者の不安感が強調?
> 「酷暑だというのに彼女は長袖を・・・」
> 「正月だというのに,彼は実家に帰らない」 
という解釈につながるのだろうと思います。
また、ゴンさんが感じらたように、「硬い表現で若い人は使わない」のではという印象にもつながっていくのではないでしょうか。いかがでしょうか。
------------------------------------------------------------------------
[472] Re: 「という」と「のに」が組むと? 投稿者:たか 投稿日:02/10/10(Thu) 20:05

Oyanagiさんの分析いつもながら、大変参考になります。
ありがとうございました。この場合「〜という」の持つ機能について、教える側が正しく把握していなければなりませんね。「〜というのに」は私の学校の教科書では,初級のおわりごろに出てくるので,「〜という」の機能を説明するのではなく、例文でその違いをわからせるという方法をとっていますが、中級以上になれば,いままで習ってきた語の持つ機能について,まとめてやる必要がありますね。それは小論文の指導にも不可欠のものだと思います。
------------------------------------------------------------------------


コメントする


なまえメール
WWW
タイトル
コメント
参考
リンク
ページ名
URL


[HOME] [TOP] [HELP] [FIND]

Mie-BBS v2.13 by Saiey