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「そうです」について


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/13 22:16:59)

※このスレッドは勉強部屋の文法考察ファイルにoyanagiの考察がアップされています。

「そう思う」と「そうだと思う」


「そうです」の不思議

過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/13 22:18:20)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

[80] 「そうです」の ふしぎ 投稿者:きんちょ 投稿日:01/03/19(Mon) 04:19 <URL>

 Oyanagiさん、こんにちは。
 あたらしい勉強部屋の記事、よませていただきました。
「そうです」という うけこたえの制限についてなのですが、
実は、わたしがホームページをつくって すぐに、記事を
かいたまま、わけがわからなくなって ほったらかしていた
話題だったのです。
 たいへん はずかしいのですが、その残骸が
http://akizuki.pr.co.kr/hozon/niki9712.htm#971229
http://fboard.jp.cgiserver.net/CrazyWWWBoard.cgi?db=AKIZUKI&mode=read&num=3&page=4&ftype=6&fval=&backdepth=1
http://akizuki.pr.co.kr/hozon/niki9903.htm#990301
に のこっています。
 基本的に名詞文につかうということで おしえていますが、
名詞文以外につかうときには、おおきく わけて、つぎの3つの
タイプが あるように おもいます。
1.プロミネンスを名詞補語に おくとき
  「この本を よみましたか」 −− 「はい、そうです。」
   ∧∧∧∧
2.文全体をうけるとき
  「5月3日午後9時ごろ、居酒屋あいうえおに はいり、
  おでんと焼酎を注文したな」
  −−− 「はい、そうです」
3.「ましょう」「ね」などの文末表現をともなうとき
  「きょうは さむいですね」 −− 「そうですね」
  「居酒屋あいうえおに いきませんか」 −− 「そうですね」
  「アイスクリームが たべたいですね」 −− 「そうですね」
ほかにも、どこにも分類できない例が あるかもしれません。
 1.は「名詞文」という基準からも説明が つきそうです。
 2も ほんらい「〜んです」が あったほうが しっくり くるようで、
そうだとすれば名詞文の一種だと みられなくもないのですが、
現実には「ん/の」が なくても つかわれているので、わたしは
その説明では不十分だと おもうのです。
 かりに「名詞文」という基準をみとめるとしても、それと3.の
ような現象とは どのように つながっているのでしょうか。
 以上、疑問をかかえたまま、3年が すぎてしまいました。なにか
名案が ありましたら、おしえてください。
 それでは。
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[83] Re: 「そうです」の ふしぎ 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/03/19(Mon) 11:47 <URL>

きんちょさん、こんにちは。
> たいへん はずかしいのですが、その残骸が
> に のこっています。
さっそくアクセスしてみました。ありがとうございます。
(きんちょさんのHPの存在をもっと早く知っていたらいろいろな
 記事を読めたのにと後悔しています。今のようなボリュームに
 なるとなかなか中に分け入って見ることがおっくうになって
 しまって。(^^;
(引用は例1、2を省略)
> 3.「ましょう」「ね」などの文末表現をともなうとき
>   「きょうは さむいですね」 −− 「そうですね」
>   「居酒屋あいうえおに いきませんか」 −− 「そうですね」
>   「アイスクリームが たべたいですね」 −− 「そうですね」
> ほかにも、どこにも分類できない例が あるかもしれません。
>  1.は「名詞文」という基準からも説明が つきそうです。
1は拙論では「総記のガ」の文としたものと同じだと思います。
いわゆる「総記のヲ」と呼ばれる構文になっているので倒置させて
「・・・のは<補語>だ」と言えるようになっているはずです。
>  2も ほんらい「〜んです」が あったほうが しっくり くるようで、
> そうだとすれば名詞文の一種だと みられなくもないのですが、
そうだと思います。文全体ということは結局は談話構造としては必ず前の情況を受けて、主題が設定されているはずです。今回の例では相手がやったことの<確認>になっていますから、表に出なくても構文上「〜んです」になっているはずです。刑事が容疑者を追及するような場面ではこのように表に出ないこともあるでしょう。
> 現実には「ん/の」が なくても つかわれているので、わたしは
> その説明では不十分だと おもうのです。
私の考えでは、基本的に受け手の捉え方だと思います。相手が発した問いかけにたとえ「〜んです」が入っていなくても、入っているように話者が感じるか、またはそう解釈することで『そうです』と答えることができると思います。
>  かりに「名詞文」という基準をみとめるとしても、それと3.の
> ような現象とは どのように つながっているのでしょうか。
問題は3ですね。これは同じ「そうです」でも機能が異なると考えれば解決できるような気がします。
例えば、(1)と(2)は「そうです」の機能が違うと思います。
(1)「これはあなたの本ですか」
   「はい、そうです」<yes-no疑問文の答え>
(2)「これは面白いですね」
   「そうですね」<相槌・同調>
だから、「これは面白いですか」という(1)の場合には「そうです」を使えません。<相槌・同調>の「そうですね」はもはや「〜はそうダ」という断定の機能がほとんどなくなっているために、どのような述部でも受けられるのだと思います。それがもっと希薄になれば<前置き的>な「そうですね・・・」になると思います。
と考えてみましたがいかがでしょうか。
(実はご紹介いただいた記事を読む前にこれを書いたので、記事を読んでから気が付いたことがあったら書き込みます。失礼しました。)
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[85] 「何なのでしょうか」について 投稿者:watamayu 投稿日:01/03/22(Thu) 22:55

それから、もう一つ質問なのですが、「何なのでしょうか」とはどういう意味だと説明したらいいでしょうか。「ですか」を「でしょうか」にすることで丁寧さが増しているような気もするのですが。
「何ですか」「何でしょうか」「何なのでしょうか」の違いを教えて頂けませんか。     
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[87] Re: 「何なのでしょうか」について 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/03/23(Fri) 03:16 <URL>

> 「何ですか」「何でしょうか」「何なのでしょうか」の違いを教えて頂けませんか。
比較をするということなら、
1)「何ですか」  →「何でしょうか」
2)「何なんですか」→「何なんでしょうか」
とするのがいいと思います。
「〜のです」は会話では「〜んです」となることが多いので、とりあえず同じ用法だと考えてください。
「→」は「丁寧」という説明でもいいと思いますが、
1)と2)は<話し手の態度>が違うことを説明するのがいいと思います。
「〜んです」の基本的な用法について学習者が理解していれば、あとは聞きたいと思っていること(=「何」)について話し手が”強く”疑問を持っている、”強く”知りたいと思っているという態度が表われていると説明すればいいと思います。
そしてそれにふさわしい場面などとセットで説明すれば理解してもらえると思います。
ちなみに、<語用論>の分野になりますが、1)と2)は明確に線引きがされるわけではなく、実際には連続しています。1)も話し方(もちろん文脈があってのことですが)によって2)のような効果を出すこともできます。(→注)
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1)「これは何ですか」(普通の疑問文)
   ★それが何かという情報がほしい
2)[得体の知れないモノを見て]
「これは何なんですか」
   ★それが何か知りたい!という気持ちが大
    →はっきりさせたい、不思議、気持ちが悪い、など
注:2)の場合でも1)を使って「これは何ですか!」と音調を変えれば同じような効果が出ると思います。
他の例) [黒板にひどいいたずら書きをされたことを指して]
     「これは何ですか!」(:「なんでこんなことをしたの!」)
----
実際の使用を考えると、いきなり2)が出てくるより、まずは1)で、それでも疑問が解消しないときに、2)を使うというようなことも多いかと思います。
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[91] Re^2: 「そうです」の ふしぎ 投稿者:きんちょ 投稿日:01/03/24(Sat) 02:07 <URL>

 この問題って、結局「名詞(句・節)とは何か」ということに
いきつくと おもうんです。
 わたしは普段は、いわゆる日本語教育文法として なんとなく了解
されているような わくぐみで かんがえたり説明したりすることが
おおいので、名詞であろうが形容詞・動詞で あろうが述語の形式に
すぎず、それらの区別が なにかを決定的に あらわすとは あまり
かんがえていなかったんです。だから、「元気だ」がナ形容詞文で、
「病気だ」が名詞文だとしても、それは偶然の ちがい以上の意味が
ないんじゃないかと いちおうは かんがえていました。
 でも、「元気ですか」−「そうです」は へんだし、「病気ですか」−
「そうです」は自然です。これは、どういうことなのか。
 このような「そうです」の機能が<確認>だとすれば、[名詞文]だ
ということと<確認>という機能は かならず対応すると いえるのか。
…そんな ところで、ためらってしまったのです。
 あと、「〜のだ」文について「言外の状況が主題になっている」という
ような機能面の観察から よく指摘されている性質と、[名詞文]だという
形態面での特徴を説明のなかで おきかえてしまえるのか、という
ためらいも あります。この2面の つながりが じゅうぶんに納得できて
いれば いいのですが、 わたしは完全には納得できないのです。
 抽象的で すみません。もはや別の問題を論じているのかもしれませんが、
Oyanagiさんの説明を拝見して、「そうか。こう いいきってしまえば、
きれいに整理できるんだ」と感心しながら、どこか ひっかかるところが
あって、それをうまく かけないまま数日をすごしてしまいました。それで、
こんな文章になってしまいましたが、おゆるしください。
 それでは。
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[90] 「〜でしょうか」について 投稿者:きんちょ 投稿日:01/03/23(Fri) 17:00 <URL>

 Oyanagiさん、こんにちは。
 いつもながら、的確な説明、参考になります。
 一か所、気になったのですが、
> 「→」は「丁寧」という説明でもいいと思いますが、
「丁寧」というよりは「婉曲」のほうが ちかいかと おもいます。
「〜ですか」と「〜でしょうか」をくらべると、前者は[正解]を
もとめているのに対して後者は[意見]をもとめているのだと
おもいます。[正解]が なかったり、あっても だれにも わから
ないような質問は ふつうには後者しか つかえません。
 例)「あしたも雨でしょうか」
   「日本は いい くにでしょうか」
で、もし[正解]が きまっている質問に「〜でしょうか」をつかう
のなら、「もし、わかったら おしえてください。わからなくても
かまいません」という気もちが こめられていると推測されるでしょう。
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[92] ミスタイプを訂正しました 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/03/24(Sat) 07:58 <URL>

次の2ヵ所を訂正しました。
> ちなみに、<誤用論>の分野になりますが、
<誤>誤用論 →<正>語用論
> 他の例) [黒板にひどいいたずら書きをされたことを差して]
<誤>差して →<正>指して
これからは十分注意して送信したいと思います。(^^;
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[98] <静的>なものと<名詞文> 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/03/24(Sat) 23:27 <URL>

>  この問題って、結局「名詞(句・節)とは何か」ということに
> いきつくと おもうんです。
う〜ん、なかなかズパッと説明はできませんが、確かに<名詞文>であることがどういうことなのかという本質的なことは日本語文法の枠ではあまり議論されることはないと思います。
こちらもかなり抽象的な言い方で申し訳ないのですが、日本人が<静的>なものと<動的>なものの区別をどのようにして、それを言語表現に組み込んでいるかということと関係があると思います。
yes-no疑問文では<名詞文>のみが「はい、そうです」と答えられるのは<静的>なものとして捉えられたことのみが「そうです」で受け答えできるということではないでしょうか。
生成文法の基本的な品詞分類では
A)動的なもの→動詞(句)
B)静的なもの→名詞(句)
とし、その中間に位置するものが形容詞(句)であるとされます。
日本語の名詞文ではこの<静的>なものとして1)のような典型的な語から4)の文まで含むのだと思います。
1)名詞+ダ
2)「〜は・・・のだ/ことダ」のように
  「の」や「こと」によって名詞化された節
3)「〜のは・・・ダ」という構造をもつ文
4)出来事全体が”意識上”ひとつにまとめられた文
  ※文脈上課題が設定されていて
   「(〜は)・・・・・のダ」という構造になっている
1)「これは本ですか」
   「はい、そうです」
2)「山田さんは行ったんですか」
   「はい、そうです」
  「それはあなたが言ったことですか」
   「はい、そうです」
3)「あなたガしましたか」
  (=したのはあなたですか)
   「はい、そうです」
  「これヲしましたか」
  (=したのはこれですか)
   「はい、そうです」
4)刑事「合鍵を使って侵入した。そして寝ている住人を殺害した。そうだな!」
  (=(おまえがやったことは)・・・・殺害したんだ。)
  容疑者「はい、そうです」
---
以上、先の投稿と同じような内容となってしまいましたが、私なりに<名詞文>を考えるとこんなふうになります。
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[99] Re: 「〜でしょうか」について 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/03/24(Sat) 23:29 <URL>

> 「丁寧」というよりは「婉曲」のほうが ちかいかと おもいます。
そうですね。
(この「そうですね」は同意の用法です。
 掲示板で話題になった表現を使うときはやけに気になりますね(^^;
「婉曲」が結局は「丁寧」さにつながる部分があると思いますが、「でしょう(だろう)」は「断定を保留する」というのが基本的な用法だと考えています。もちろん「断定留保」=「婉曲」と考えれば同じことですが、「だろう」については「断定」の助動詞「ダ」の活用を踏まえて「断定留保」と呼ぶのがいいかなと思っています。
「ダ」    →「デス」
 ↓
「ダロ(う)」→「デショウ」
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