理由・原因「〜て/ので/から」 [コメントする]

理由・原因「〜て/ので/から」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 00:49:42)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

[286] 原因・理由 投稿者:さくら 投稿日:01/11/25(Sun) 20:11

こんばんは。さくらと申します。「明日は時間がありませんから買い物にいけません」「そのニュースを聞いてびっくりしました。」「新聞を読まなかったので、事故のことを知りませんでした。」この3つは全部原因・理由を示す文ですよね?でもイマイチ3つの区別がよく分かりません。なので教え方もイマイチ納得がいくやりかたが思い浮かびません!こんな私にアドバイスをよろしくお願いします!!
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[287] 原因・理由の形式のまとめ 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/11/26(Mon) 01:14 <URL>

さくらさん、<勉強部屋>へようこそ。管理人のOynagiです
原因・理由を表す3つの形式の区別についての質問ですね。
学習者に指導する上で必要な知識ということで、簡単ですがまとめておきます。教え方についてはとくにまとめはありませんが、それぞれの特徴と基本的な用法を理解した上で、それにふさわしい文でドリルを組み立ててみてください。
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これからの説明を簡単にするために<前件>と<後件>という用語を使います。
(1)<前件>て、<後件>
>「そのニュースを聞いてびっくりしました。」
(2)<前件>ので、<後件>
>「新聞を読まなかったので、事故のことを知りませんでした。」
(3)<前件>から、<後件>
>「明日は時間がありませんから買い物にいけません」
◆<前件>と<後件>の結び付き◆
まず、同じ語句を使って(1)〜(3)の文のニュアンスの違いをみてみます。
(1)’「かぜをひいて、学校を休んだ」
(2)’「かぜをひいたので、学校を休んだ」
(3)’「かぜをひいたから、学校を休んだ」
ニュアンスをみると、(1)と(2)が似ていて、(3)がちょっと違うと感じるのではないでしょうか。その違いは次のようにまとめられます。
(1)(2)【<かぜをひいた> → <学校を休んだ>】
(3)   【<かぜをひいた>】→【<学校を休んだ>】
つまり、ひとまとまりと感じる【 】の部分が違います。
(1)(2)は全体がひとまとまりで、前件が原因となって”当然の流れ”として後件が生じたことを表しています。
ところが、(3)はもともと各々が独立していて、理由の部分を”わざわざ取り立てて示す”という関係になっています。
つまり、「学校を休んだのだけれど、その理由はかぜをひいたことだ」のように理由の部分を主張するようなニュアンスになっています。
このことから次のような特徴をみてとることができます。
--まとめ1--------------------------------------
★(1)(2)全体の因果関係を客観的に報告する構文
★(3)   原因・理由を取り立てて明示する構文
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◆『意志』が入る表現と『主観』と『客観』とのつながり
つぎに、後件の表現を”意志”が入ったものに変えてみます。
(1)”「かぜをひいて、  学校を休むつもりだ」×
(2)”「かぜをひいたので、学校を休むつもりだ」◯
(3)”「かぜをひいたから、学校を休むつもりだ」◯
◯と×が示すとおり、上では(1)と(2)が同じだとしましたが、区別する必要があるようです。
--まとめ2-------------------------------------------------------
★(1)全体の因果関係を客観的に報告する構文 ※後件に意志の表現ができない!
★(2)全体の因果関係を客観的に報告する構文 ※後件に意志の表現もできる!
★(3)原因・理由を取り立てて明示する構文  ※後件に意志の表現がぴったり!
※については後述
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さて、上の特徴はどのようなことを意味しているのでしょうか。
☆(1)は客観的に因果関係を報告することしかできないということです。
しかも、後件には自然にそうなること(=感情を表す表現)や意志が及ばないこと(=できる/できない、起こったこと)などしか表現できない構文ということになります。
※ここで注意することは「〜マス形」が使われていてもそこには「意志」は入ってないということです。
例)「あなたが来てくれて、本当にうれしい」
  「雪がふって、電車がとまった」
  「かぜをひいて、学校を休んだ」(※意志はなく、仕方なくそういうことになったという意味)
*さくらさんの次の文はこれにあてはまります
>「そのニュースを聞いてびっくりしました。」
☆(2)は(1)と同じような特徴をもちながらも、後件で意志表現ができる点で異なります。
しかし、注意しなければいけないことは、「ので」にしても、あくまでも基本は『全体の因果関係を客観的に報告する構文』だということです。ですから、初級で最初に学習する文は後件で意志が入らない文型で練習することが普通です。
例)「風が吹いたので花が散った」
  「たくさん食べたのでお腹が痛くなった」
*さくらさんの次の文はここに入ります。
>「新聞を読まなかったので、事故のことを知りませんでした。」
----------------------<ここがポイント!>------------------------------------
それを踏まえて、「ので」で後件に”意志”の表現が使われる場合の意味を考えるのがいいです。
つまり、『たとえ、後件に”意志”表現が来ても、あたかもそれが”自然な結果”のような印象を与えることができます。言い換えれば、”話者の主観”を抑える効果が生まれます。そこが、(3)との大きな違いです。
その効果は「依頼」の構文では顕著です。例文を比べてみると、「ので」は”話者の主観”を抑える効果によって、丁寧な印象を与えることができます。
例)「財布を忘れたので、ちょっとお金を貸してくれませんか」(※丁寧な印象を与える)
  「財布を忘れたから、ちょっとお金を貸してくれない?」(※親しい関係ならOK)
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☆(3)は理由を取り立てて明示する形式ですから、まさに後件に意志が入る表現と”相性が抜群”になるわけです。
ですから、初級でははじめに後件に意志の表現が入る文を学習することになります。
例)「〜から、〜します」
       〜てください」「〜ないでください」
       〜するつもりです」「〜しようと思います」など
『全体の因果関係を客観的に報告する』ときに、この「から」を使うことも可能ですが、そうすると、(「ので」の場合とちょうど反対ですが)『理由をわざわざ取り立てて強調する』ことになります。
(ということは、場面や話し相手によっては”自分の都合”を表に出し過ぎる”という印象を与えます)
(例えてみれば、「ので」は”客観的な報告”というオブラートにくるまれるので「から」のような”理由を主張する”というずうずうしさがない、ということです)
例)「電車が遅れたので、遅刻しました」(※言い訳として適当な表現)
  「電車が遅れたから、遅刻しました」(※言い訳としては自己主張が強すぎる)
*さくらさんが、あげた例文の場合はこの例にあたります。
>「明日は時間がありませんから買い物にいけません」
この場合に「ので」を使って「明日は時間がなので、買い物にいけません」と言うと客観的な報告文の印象になるはずです。
注:このような特徴があるために、次のような構文で使われることも納得できます。
例)「A〜のは B〜カラだ」  (※いわゆる倒置による強調構文)
  「B〜カラ A〜のだ。(C〜から A〜のではない)」
                (※理由の部分を「CではなくてB」だと言いたいとき)
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以上、長くなりましたが、「〜て」「〜ので」「〜から」の特徴をまとめてみました。
分かりにくところがあったら遠慮なくご質問ください。
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誤用例

過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 22:00:00)

※これは過去ログを整理したものです。(管理人)

No.733
投稿時間:03/05/29(Thu) 01:25
投稿者名:lily
Eメール:lily8310@softhome.net
URL :
タイトル:日本語の誤用例について

はじめまして、Lilyと申します。日本語専攻の外国人学生です、よろしくおねがいします。
日本語の誤用例について、教えていただけますか。
1、気分が悪くて休ませてください。
2、日曜日は私が信子さんと一緒に映画を見に行きました。
3、風が入るために窓を開けた。
4、このお菓子はおいしいらしいですね。
上記の文はいずれも非文とされますが、どうしてですか。

No.736
投稿時間:03/05/31(Sat) 23:56
投稿者名:Oyanagi
Eメール:
URL :
タイトル:Re: 日本語の誤用例について
(注:この記事は過去ログの整理にあたり分割しました。管理人2003年10月)

Lilyさん、こんにちは。管理人のOyanagiです。

日本語専攻ということですので、大学の先生にも聞ける環境かと思いますが、私の考えを少し書いておきます。参考にしてください。

> 日本語の誤用例について、教えていただけますか。
> 1、気分が悪くて休ませてください。
> 2、日曜日は私が信子さんと一緒に映画を見に行きました。
> 3、風が入るために窓を開けた。
> 4、このお菓子はおいしいらしいですね。
> 上記の文はいずれも非文とされますが、どうしてですか。


1 「教えていただけませんか」のような依頼をする文型で、その理由を示す場合にどうするかという問題ですね。

■規則■
依頼「〜てください」を含めて、話し手の意志を表す文型(「〜しよう」「〜したい」「〜するつもりだ」など)と「〜て」は一緒には使えません」。

■「〜て」の基本■

「それが原因でどうなったか」、つまり因果関係を示すことが基本です。

例)『気分が悪くて、倒れてしまいました』
  『食べ過ぎて、おなかが痛いです』
  『3時間も勉強して、とても疲れました』

このように、自分の意志とは関係なく、自然な流れとして、そのような結果になったという文になります。

意志が入っているような文の場合でも、“自然な結果としてそうなった”というニュアンスの文になります。

例)『気分が悪くて、すぐに帰りました』
 (※「帰る」という結果になったというニュアンスです)

比較)『気分が悪いから、すぐに帰りました』
 (※なぜ帰ったのか、その理由を明示する場合です)
 (※「帰ろう」という意志があって、そうしました、というニュアンスです)


■「から」の基本■
これと反対の特徴を持っているのが、「から」です。これは、「どうしてそうするのか、したのか」を明示する働きがあります。
つまり、「〜してください」(依頼)、「〜しよう(と思う)」「〜するつもりだ」(意志)のような表現を一緒に使って、なぜそうするのか(話し手が考える=主観的な)理由を示すことができます。

例)『気分が悪いから、休ませてください』
  『気分が悪いから、休もうと思います』


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