五段動詞と一段動詞 [コメントする]

五段動詞と一段動詞


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/14 00:42:22)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

[252] 動詞の活用 - 識別困難 投稿者:佐藤正彦 投稿日:01/10/06(Sat) 14:50 <URL>

動詞の活用の話です。
日本語の動詞は確かに、五段、上下一段、活用と、
一見理路整然と整理されていますが、
これは、未然形がスラスラといえるネイティブスピーカーだけの
話で、やはり、丁寧形(-ます)や辞書形(終止形)しかしらない
日本語学習者にとっては、識別に困難を極めます。
「かえる」の否定って「帰らない」?「変えない」?
「おきます」のテ形って「置いて」?「起きて」?
上記の点を解決するために、
辞書フォームで識別が困難な70語をピックアップして
以下のページに掲載しています。
しかし、丁寧形だと、サ変とサ行五段活用の識別が
困難になりますが、このあたりなにかいい方法はありますでしょうか?
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[253] できるだけシンプルに 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/10/06(Sat) 21:56 <URL>

佐藤さん、こんにちは。
この話題はやっさんの掲示板で目にしたので、ホームページの内容は見ていました。こちらのほうにも書き込みをしていただいたので私なりに少しコメントをしたいと思います。
ネイティブにとっては活用は文法で学んだわけではなく、そのほとんどは生活しながら「音」から入って定着したものです。ですから、外国語として日本語を学ぶ人にとっては、どの動詞がどのような活用をするのかはある程度苦労して覚えなければならない文法だと言えます。
やっかいなのは、佐藤さんが指摘されているように、表記上はまったく同じ(または同じ成分を持っている)のに活用タイプが異なる動詞があることです。それをどのように指導するかは教師によってそれぞれだと思います。佐藤さんがまとめられた70の単語もその一つとして貴重な資料となると思います。
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日本語の活用形が一段動詞と五段動詞で区別されていることを考えると、今のところ五段動詞と一段動詞を区別することが必要だと考えて、ここでは区別の仕方の一つを紹介します。
ここに紹介するものはもう既にご存じの方も多いとは思います。
辞書形から活用グループを決める方法を簡単にまとめておきます。
(※同じ発想でマス形から区別する方法もあります)
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★初級レベルでの指導はあくまでも文法はシンプルなものがいい
たまたま他のスレッドでも触れましたが、初級の学習では”限られた語彙”のなかで行われます。
つまり、日本語の全てにわてって通用する規則を教える必要は必ずしも必要がないということです。
※初級で学校での学習となると、普通はその動詞がどの動詞になるかわからないため困るという事態はあまり生じないのではないかと思います。
それは、個々の動詞についてそれがどの活用グループなのか情報が与えられて練習されるからです。それがどの活用グループかを考えさせる練習ということは実際にはありません。
しかし、学習が進むにしたがって、学習者の中には「同じ表記でありながら活用グループがことなること」に疑問を持ったり、「自分で学習するときに区別する方法はないか」ということを知りたくなる人もいます。
そんな場合にどのような指導をするのがいいかと考えると、ポイントは分かりやすく、しかも効果的であればいいのではないかと思います。。
★【原則】【例外】【具体例】
(1)五段動詞と一段動詞は大きく語尾が「る」で終わるかどうかで区別されます。(「る」以外で終わる動詞はすべて五段動詞)
(2)つまり「る」で終わるものの中に五段動詞と一段動詞が含まれることになります。
(3)さらに、「る」の前の音に注意すると、[-iる][-eる]以外は五段動詞になることがわかります。([-aる][-uる][-oる]は五段動詞)
(4)つまり、この二つの音で終わる動詞の中に五段動詞と一段動詞が含まれることになります。
そこで、一つの提示の仕方として
■[-iる][-eる]で終わる動詞は一段動詞で 【原則】
■例外として五段動詞があり       【例外】
■初級で学習するのは◯◯などだ。    【具体例】
という方法があります。
(確か◯◯に入る動詞は10個くらいあったはずです)
この方法が有効なのは、まさに初級では語彙が限られているかということで、数が少ない<例外>を挙げることであとは全て規則通りになるということです。
★中級以上の指導はどうするか?
初級と違って、中級になると語彙も増え、上で示した方法では<例外>の単語が増えてきます。
そうすると次のような指導方法が考えられます。
■上の延長でよく使われる動詞の中で<例外>となるものを挙げてそれは個別に覚えるように指導する。
■これは初級でも指導していいと思いますが、表記上は同じでもアクセントが異なることを指導する。
  例:寝る →一段動詞 → 寝て
    練る →五段動詞 → 練って
    着る →一段動詞 → 着て
    切る →五段動詞 → 切って
 (※特に五段動詞で「っ」が入ることは音声の指導としても重要です)
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以上、佐藤さんのまとめについての直接のコメントではありませんが、どのように<原則>をたてて、どのように<例外>を扱うかについて、ご覧になった方が参考にしていただけたらと思います。
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[254] サ変とサ行五段活用 投稿者:きんちょ 投稿日:01/10/07(Sun) 04:28 <URL>

 佐藤正彦さん、こんにちは。
 Oyanagiさんが、したの質問には おこたえに ならなかったようなので、役不足ながら わたしのほうからも つけくわえさせていただきます。
> しかし、丁寧形だと、サ変とサ行五段活用の識別が
> 困難になりますが、このあたりなにかいい方法は
> ありますでしょうか?
 「はなします」と「食事します」は、どちらも「します」で おわっているのに、前者がサ行五段活用で、後者がサ変であることをどう認識させるかという問題ですよね。
 実際の教室では、最初は こんごらがる学習者がいることは たしかですが、そのうちに解決される問題だと おもいます。なぜなら、サ変となるものは、
   [名詞成分]+する/します 
という構造をもっているからです。
 ですから、もしも「はなします」がサ変であれば、「花します」とか「鼻します」というふうに かんがえなければ いけなくなります。しかし、どう かんがえても 「花する」とか「鼻する」とかいう動詞を かんがえることは むずかしいので、これはサ変ではないと わかるわけです。
 このことの延長で、敬語表現をならうと、
   お[動詞の<strike>ます</strike>形]する
とか、
  お/ご[サ変動詞の前項名詞成分]する
などの謙譲語の かたちが でてきます。ここでの 
   お[動詞の<strike>ます</strike>形]
   お/ご[サ変動詞の前項名詞成分]
というのも、ひろい意味では名詞の一種として みられなくも ありませんが、「おききします」の「おきき」を名詞というのは乱暴かもしれません。それなら、こういうものは また別個に あつかって注意するということで処理していけば、だいじょうぶなのではないかと おもいます。
 なお、区別の問題としてではなく、現実の動詞が混合活用をしている例としては、一字漢字音に「する」がついた動詞の例が よく しられています。
 「愛する」「愛す」は、現実には ひとつの動詞がサ変と五段で混合した活用をしている あらわれと みることができるし、「信ずる」「信じる」のほうをみると、こんどはサ変と一段動詞が混合しています。
 一般的には、「〜ずる」となるサ変(ザ変?)は、ほとんど一段動詞化が すすんでいると みられますので、日本語教育の ばでは、一段動詞として あつかわれることが おおいと おもいます。「愛する/愛す」のほうは、やっかいですね。終止形は「愛する」が ふつうでしょうが、「愛できる」とか「愛しよう」「愛しない」は、つかわれないだろうと おもいます。こういうのは、現実のほうが まぜこぜになっているのですから、無理に区別することはせずに、そのつど注意することにするのが適当ではないかと おもいます。
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[255] 御両者ともありがとうございました。 投稿者:佐藤正彦 投稿日:01/10/10(Wed) 05:22 <URL>

いろいろとありがとうございました。
http://dasan.sejong.ac.kr/~morishin/rep2.html
http://dasan.sejong.ac.kr/~morishin/2000a.htm
上記のページも参考になりました。
日本語教育をはじめる場合に、
辞書形(終止形)ではじめるのと、
ます形(丁寧形)ではじめるのとでは、
動詞の活用の理解にどういう差がでるかの資料です。
本当にこればかりは難しい問題ですね。
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