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「写真を撮っている」の「ている」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/13 23:40:08)

※これは過去ログを整理したものです(管理人)

[37] 写真を撮っている。は動作の継続?動作の結果の状態? 投稿者:ぽんた 投稿日:01/02/01(Thu) 22:26

はじめまして。
こんど「〜ている」を教える事になって
今、いろいろな場合の「ている」を集めて考えているのですが
「女の子が泣いています」は動作の継続の「ている」で
「赤い服を着ています」は動作の結果の「ている」
ということは分かっているのですが
「男の人が写真を撮っています」は
どちらの「ている」になるのか分からなくなってしまいました。
どうか教えてくださいー!
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[38] 「〜ている」の紛らわしいところ 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/02/02(Fri) 09:10 <URL>

ぼんたさん、こんにちは。ようこそ<勉強部屋>へ!
「〜ている」の用法の分類ということですね。
ご質問の内容からすると、ちょっと紛らわしい動詞の場合のようですね。
有名な金田一氏の動詞の分類では<継続動詞>は「〜ている」が<動作継続>で、<瞬間動詞>は「〜ている」が<結果状態>となっていますが、この<瞬間>というネーミングが誤解を引き起こすことがあります。
「泣く」→「泣いている」はその情況を思い浮かべると「泣く」という動作が進行していることがよく理解できますが、「(写真を)撮る」というのは行為自体は『カシャっと』シャッターを押すだけですから何か一瞬で終わってしまうから<瞬間動詞>かなと思うかもしれません。
でも、「(写真を)撮っている」という情況を思い浮かべると、一回『カシャっと』するだけでなく、何枚か続けて「撮っている」という意味にとれるはずです。ですから、これも<継続>の用法でいいと思います。
ところで、これもよく例に出されるものですが、「太る/やせる」は<瞬間>になるものじゃないのに「〜ている」が<結果状態>だから<瞬間動詞>だ!と言われても、ちょっとネ・・・と思います。
ということで、「〜ている」の意味で動詞を分類する時には、もう少し動詞の意味に忠実なやりかたのほうがいいと思います。
それで<瞬間動詞>というくくり方ではなくて、『主体が変化するかしないか』に注目して分類してみるのがいいと思います。
(簡単に言って、主体は動詞の主語と考えてもいいです)
(1)<継続動詞>『主体が変化しない(=主体が運動する)』
   つまり、その動作の前と後で主体は変化しない
   だから「〜ている」が<動作継続>を表す
(2)<結果動詞>『主体が変化する』
   つまり、その動作の前と後で主体は変化する
   だから「〜ている」が<結果状態>を表す
この頃は<瞬間動詞>ではなく<結果動詞>という用語もよく使われるようになったと思います。
分類に関してはいろいろ細かくあるのですが、大きくわけるならこれがいいと思います。
※これについての解説は次のスレッドへ
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[39] ちょっと解説 投稿者:Oyanagi 投稿日:01/02/02(Fri) 09:13 <URL>

(1)は自動詞も他動詞もあります。
自動詞は分かりやすいと思います。「走る」や「泳ぐ」や「笑う」などです。
他動詞も「読む」や「食べる」などは分かりやすいですが、一回の動作だけみると何か<瞬間>で終わってしまうものも、例えば、「なぐる/たたく」「割る/つぶす」などもそれをする『人』が変化してしまうわけではありません。なぐられた人じゃなくて、なぐったほうの人の顔が腫れてしまったらおおごとです(^_^;
だから「(写真を)撮る」も「〜ている」が<動作継続>の意味になります。そのような動作を繰り返したりして、とにかく続けているわけです。
※他動詞も場合によって対象は変化しますが、あくまで主体が変化するのかどうかがポイントです。
ちなみに自他動詞のペアがあるもは他動詞のほうは(1)になります。
例)消す、落とす、温める、溶かす
逆に自他動詞のペアがあるものの自動詞は”ほとんど”が(2)になります。
例)消える、落ちる、温まる、溶ける
(2)は主体が変化するということですが、変化は状態の変化だけじゃなくて位置の変化なんかもあります。(もちろんこの二つにはっきり分類できるわけじゃありませんが)
状態の変化→「変わる」「太る」「止まる」「曲がる」など
位置の変化→「入る」「出る」「座る」「立つ」「行く」など
「着る」という動詞は(1)も(2)もあることはご存じかと思いますが、それは結局は「着る」という動作をするという側面を考えると(1)で、何かを着れば当然主体も変化する(裸?の状態ではなくなる)ので(2)となるわけです。
同じようにどちらにもなるのは「着る」のような身につける関係の動詞(「はく」「かぶる」「かける」など)やもっと広くとらえて「覚える」などもそうです。
例外もありますが、とりあえずこんな基準で分類の作業をされてはいかがでしょうか。
分かりにくいところがあれば遠慮なくご質問ください。それでは、授業のほうがんばってください。
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