言葉の使い分け「気持ち」と「気分」 [コメントする]

言葉の使い分け「気持ち」と「気分」


質問者 さんのコメント
 (2005/12/03 19:40:58)

お久しぶりですね。いつもお世話になり本当にどうもありがとうございます。
早速ですが、「気持ち」と「気分」の使い分けについて質問させていただきたいと思います。
「気持ち」の意味についてですが,辞書から引用開始:1.ある物事に接したときに生じる心の状態。気分。感じ。。「―のよい朝」「―の悪い
虫」2.からだの状態から生じる快・不快の感じ。気分。「―が悪く吐き気がする」
「気分」の意味についてですが、引用開始:1.快・不快など、ある期間持続する、やや漠然(ばくぜん)とした心身の状態。ある状況によってもたらされる、その時の心持ち。「仕事をする―になれない」「今日は―がのらない」
2.からだの状態によって生じる気持ち。「船酔いで―が悪くなる」「―がすぐれない」
ニュアンス的には、どのように違うのでしょうか。
具体的に代表的な例をいくつあげますと、
例一: 「車に酔って、( )が悪くなりました。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか
個人的には、AとBと、どちらも正しいです。ニュアンス的にはどう違うのか分かりません。 なんかAもBも、からだの状態から生じる快・不快の感じです。違いはありませんか。

例二:肩を揉んでもらって、とても( )がよいです。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか
個人的には、AとBと、どちらも正しいです。ニュアンス的にはどう違うのか分かりません。

例三:とても( )のいい方ですね。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか


長文ですみません。お手数ですが、どうか教えていただければ幸いです。







簡単なコメントと参考情報

Oyanagi さんのコメント
 (2005/12/04 17:01:13)

質問者さん、こんにちは。管理人のoyanagiです。

「気分」と「気持ち」を使った熟語の意味の違いは『古くて新しい』問題だと思います。これまでもいくつかの日本語関係の掲示板でも取り上げられていますし、教師向けの参考書でも取り上げられています。

私自身も、もうずいぶん前になりますが、日本語能力試験対策のクラスの「語彙」の授業で、この違いを説明するのに勉強した記憶があります。質問者さんは確か日本語を勉強している外国人のかただったと思いますが、基本語であればあるほど、その使い分けは普通の国語辞典では物足りないと感じることが多いのではないでしょうか。ましてニュアンスの差となると、書かれている解説だけから理解するのも大変なことだろうと思います。

さて、質問者さんの挙げた例題について、下に、簡単にコメントをしておきます。ただ、この二つの違いの全体像となると、まとめるにあたってもう少し考えてみたいことがるので、わたしなりにまとめたものはあとで、アップしようと思います。お時間があれば、以下に紹介した本、サイトをご覧になってみてはどうでしょうか。この投稿は直接は質問者さんへのレスですが、他の方もご覧になっていることを考えて、教師向けのものも挙げておきます。

■例題について

例題(1)
---(引用)---
例一: 「車に酔って、(  )が悪くなりました。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか
個人的には、AとBと、どちらも正しいです。ニュアンス的にはどう違うのか分かりません。 なんかAもBも、からだの状態から生じる快・不快の感じです。違いはありませんか。
----------------
AもBも正しいです。
ニュアンスの違い:
「気持ちが悪い」は、(体調について使われる場合)主に「吐き気を催す」ことを意味するのに対して、「気分が悪い」は「吐き気を催す」ことだけでなく、もっと広い意味で「体調がすぐれない」状態について使うことができます。
従って、上の例文は「車に酔う」ということで、「吐き気を催す」ような体調の不調を述べているのであれば、AとBのどちらも使うことが可能です。しかし、「今すぐ吐きそうな」状態ではない場合は、「気分が悪い」を使うほうがいいと言えます。

ちなみにん、このような違いから、次のような文では、「気持ち」が不自然になるとされています。
「今朝起きてみると、少し熱があり、(△気持ち/○気分)が悪い
(以上は下の参考書籍5を参考、例文は同書より)

例題(2)
---(引用)---
例二:肩を揉んでもらって、とても(  )がよいです。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか
個人的には、AとBと、どちらも正しいです。ニュアンス的にはどう違うのか分かりません。
---(引用)---

Aを使うのが自然です。
直接何か刺激を受けて「快い(こころよい)」感覚を持つ場合には、「気持ちがいい」を使います。
ですから、何かものを手で触ってときの感触について言う場合も
「この布はすべすべしていて(○気持ち/×気分)がいい」
と言います。

ニュアンスの違い:
ただし、「快い」感覚が、【不調だった体の調子が良くなったこと】を表す場合は、それなりの文脈があれば「気分がいい」と言うこともできます。
「彼はツボを良く知っていて、そこを揉んでもらったら、とても(○気持ち/○気分)が良くなった」
この場合、「気持ちがいい」は単に「快い」という感覚を述べていますが、「気分がいい」は体調がいいという状態をより強く表します。

例題3
---(引用)---
例三:とても( )のいい方ですね。
A 気持ち B 気分 AとBと、どちらが正しいですか
---(引用)---

Aが正しいです。
例題1、2と違って、3は自分ではない、ほかの人について、その人がどういう人かを述べています。このような場合には、「気持ちがいい/わるい」しか使えません。

以下、参考までに。

■インターネット上に公開されているもの

(1)OKWebの国語の質問とその回答
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1684689
質問:「気持ちが悪い」と「気分が悪い」の基本的な使い分け
※この質問も外国人の方からですが、もしかしたら質問者ですか?

(2)日本語Q&A
http://nhg.pro.tok2.com/qa/meishi-2.htm
>Q15
※これは「機嫌」との違いについて解説しているものです。

(3)日本語教育言いたい放題(の過去ログの残滓)
http://home.alc.co.jp/db/owa/bbs_jap2?input_sn1=993
※これは今は公式には存在しないアルクの「日本語教育言いたい放題」の(削除し忘れた?)過去ログです。下に紹介した『類似表現の使い分けと指導法』のまとめの部分が引用されています。

※同書に触れた投稿は、日本語オンラインの掲示板の過去ログにもありますが、非常に簡単なものです。
(4)http://nihongo-online.jp/tree02/treebbs.cgi?kako=1&all=2733&s=2733

※上の掲示板でレスをつけているきんちょさんが以前、アルクの掲示板にもレスを投稿しているのですが、現在はウェブ上に残っていないようです。(残念)

■書籍
(5)『類似表現の使い分けと指導法』(アルク)
   p153〜p162
  「気持ち」「気分」「機嫌」
(6)「そこが知りたい日本語 なんでも相談」『月刊日本語』1992年2月号(アルク)
   p.56〜p57
  「気分が悪い」と「気持ちが悪い」の使い分けは?
※中国語との対比で解説されています。

■類義語辞典など
(7)『使い方の分かる 類義例解辞典』(小学館)
   p.230
(8)『類義語 使い分け辞典』(研究社)
   p.278〜p279


参考リンク追加(2件)

Oyanagi さんのコメント
 (2005/12/04 22:02:37)

このホームページのch2で提供している「文法情報リンクデータベース」は文法を広くとらえて「語法」(語の意味・使い方)も登録されていますが、
→http://nihon5ch.net/ch2/ch2-index.html
確認したところ、「気分」「気持ち」のリンクは登録されていないようです。
スペースアルクの日本語Q&Aは登録したものと思っていましたが、登録したのは「文法」のほうで、語彙の項目が登録されていなかったようです。今度、ひまをみて適当なものを拾って登録しておこうと思います。
次の二つが「気持ち」と「気分」についての解説になっています。

■スペースアルク>日本語>日本語Q&A>言葉の意味
http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?stage=2&sn=68
http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?stage=2&sn=188

スペースアルク日本語「日本語Q&A」


どうもありがとうございます

質問者 さんのコメント
 (2005/12/06 11:16:56)

早速のご返事、どうもありがとうございます。大変参考になりました。
とても分かりやすくご説明いただきまして、たいへん助かりました。これからもよろしくお願いします。


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