「〜すぎて」と「〜すぎで」 [コメントする]

「〜すぎて」と「〜すぎで」


sanokun さんのコメント
 (2004/08/31 22:57:04)

※これは「文法情報リンク」のサポート掲示板にあったものを移動しました。(管理人)
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投稿時間:04/04/23(Fri) 23:14
投稿者名:sanokun
Eメール:sano129@hotmail.com
URL :
タイトル:理由を表す て で

初めてお便りします。いつも困ったとき 参考にさせてもらっています。韓国で日本語(にほんご)を教えているterukunといいます。昨日授業で、飲みすぎて頭が痛いです なのか 飲みすぎで頭がいたいです なのかどちらですかと聞かれて、ほとんど同じ意味だと思って、飲みすぎでは 強調するとき と説明したのですが余り自信がありません。
意味的な違いがあったら、教えてください。
宜しくお願いします。
terukun


違いを考えてみました

Oyanagi さんのコメント
 (2004/08/31 23:44:11)

terukunさん、レスがと〜ても遅くなってすみませんでした。
言い訳をすると、あのサポート掲示板をずっと見ることがなくて、あそこに質問の投稿があることに気がつきませんでした。あちらはデータベースの使い方のサポート用に作ったものなので、日本語の質問はこちらの掲示板に移動させました。

さて、ご質問の件ですが、「〜すぎて」も「〜すぎて」もどちらも原因を表す文型ですが、使われ方を観察すると、違いがあるようです。(もちろん同じように使う場合もありますけどね)

■用法の違い1
まず、(これはご質問のものとはちょっと違いますけど)「〜すぎです」のように文末に使われる場合。この場合は、「〜すぎている」人に対して、注意をする場合、何か意見を述べるような場合によく使われると思います。特に、相手がその場で何かしすぎている場面では、「ねえ、ちょっと飲み過ぎていますよ」とは言わずに、「ねえ、ちょっと飲み過ぎですよ」と「〜すぎだ」の文型を使うと思います。

■用法の違い2
次に、原因の文型ですが、「〜すぎで」のほうは、「〜すぎ」の部分が名詞になるので、「〜の+〜すぎで」となります。このようなつながりが、動詞文「(〜を)〜すぎて」とどういう違いを生むか、ですね。

ちょっと次の文を考えてみましょう。
(1)冷たい水を飲み過ぎて、下痢をした。
(2)冷たい水の飲み過ぎで、下痢をした。
どちらも因果関係を表す文として適格だと思います。
それでは、次の文はどうでしょうか。
(3)冷たい水を飲み過ぎて下痢になった人には、この薬が効く。
(4)冷たい水の飲み過ぎで下痢になった人には、この薬が効く。
さて、確かに二つとも因果関係を表す文として適格なのですが、なんとなく自分ならこっちを使うかなあという程度のニュアンスの違いを感じるのではないでしょうか。
私は、動詞文「〜すぎる」→「〜すぎて」と、名詞文「〜すだ」→「〜すぎで」の違いがこのようなニュアンスの差を生むのだろうと思います。
つまり、(4)のほうは(3)に比べて、下痢の原因として「冷たい水を飲む」コトというのが、私たちの頭の中には経験を通じて一つのよくあるパターンとして記憶されていて、そのパターンを提示している、という印象を受けます。
だから、薬の広告で、いろいろなタイプの下痢用の薬がある場合、効能として述べるのであれば、(4)のような構文がよく使われるような気がします(まだ検証していません)
もちろんそのような場合でも(3)を使うこともできますが、何か中立的に因果関係を述べているような印象を与えるように思うのですが、いかがでしょうか。(う〜ん、私たけかな・・・)

これは、一般的に、動詞と名詞という品詞の特徴の違いと考えてもいいのだろうと思います。動的なものが一つの概念としてまとめられて、名詞となるということですね。ですから、「〜を〜すぎて」よりも、「〜の〜すぎで」のほうが、私たちが日常よく見聞きする、あの原因の「〜で」というニュアンスになるのだろうと思います。そして、そのようなニュアンスは、単文よりも連体修飾のような文で強く感じられるかなあと、思っているのですが、ほかの方はどう感じるでしょうか。

まとめると、
★個別の出来事について、その因果関係を述べる文(中立的)
 →動詞文:〜すぎて、・・・
★因果関係がある程度固定化していて一つのまとまりとして原因を述べる文
 →名詞文:(〜の)〜すぎで、・・・
★このような品詞上の特徴から、
 「(〜の)〜すぎで」は、単文で使われることはもちろんあるのだけれども、「〜すぎて」との違いで言えば、むしろ、連体修飾で文がつながっていく場合や、名詞で終わる(中止法)のような文によく現れるのではないかと思います。

なんか抽象的な内容になりましたけど、用法の違い1は初級や中級での指導が必要だと思いますが、用法の違い2はどうでしょうか。私の記憶では、実際のこのような違いを学習者に指導したことはなかったと思います。まあ、無理矢理違いをこじつけたという印象もなきにしもあらずですね。

それでは、何か分かりにくいところがあったら、またご投稿ください。


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