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「〜ものの」


過去ログ(管理人) さんのコメント
 (2003/10/16 11:33:48)

※これは過去ログを整理したものです。(管理人)

No.713
投稿時間:03/05/06(Tue) 21:33
投稿者名:ゴン
Eメール:
URL :
タイトル:〜ものの

 Oyanagiさん、お久しぶりです。お元気にしていらっしゃいますでしょうか。本日も「自然な日本語」からの質問です。
 18課用例2「〜ものの」です。本日導入しました。この「ものの」というのは、おおまかに言うと「逆接(?)」ですよね。例えば、用例2‖膤悗禄个燭發里痢⊇⊃先は見つからない。この文は、大学は出た。それは本当だ。しかしそれから考えられるようにはならない(ならなかった)。という意味ですよね。。「ものの」の後ろには、良くないことがくることが多いですよね。と、このぐらいの説明しかできませんでした。この後、練習2をやらせると、 おかしな文を作る生徒がちらほらいました。ざ發呂△襪發里痢△韻舛澄/金はあるものの買わない。シ觝Г靴燭發里痢△垢以未譴拭
など。「のに/けど」のほうがしっくりいく気がします。だから、「ものの」=「けど/のに」じゃないんだなと感じました。それから、‖里肋さいものの体力がある。のように、い形容詞だと、ほぼ「のに/けど」と同じ役割を果たすのかな。動詞だと、違ってくるのかな。というように、品詞によって変わってくるのかなとも思いました。
 うまく頭の中で整理できないでいます。ご指導よろしくお願い致します。
 前回「ものの」を教えたときにも同じように教えて、そのときは何の疑問も感じないで、次に進んでしまいました。今回初めて。「おや?」と思いました。今ごろ気づいたのか?アホ!!と思われるかもしれません。。。

No.714
投稿時間:03/05/08(Thu) 01:20
投稿者名:Oyanagi
Eメール:oyanagi@tky2.3web.ne.jp
URL :
タイトル:例文を観察してわかったこと

ゴンさん、こんにちは。

>  18課用例2「〜ものの」です。本日導入しました。この「ものの」というのは、おおまかに言うと「逆接(?)」ですよね。例えば、用例2‖膤悗禄个燭發里痢⊇⊃先は見つからない。この文は、大学は出た。それは本当だ。しかしそれから考えられるようにはならない(ならなかった)。という意味ですよね。。「ものの」の後ろには、良くないことがくることが多いですよね。と、このぐらいの説明しかできませんでした。

「ものの」の用法について上のように説明するのは問題ないと思います。私も経験がありますが、一回目に教えたときには、特に問題はなく済ませられたものが、二回目で・・・。それにしても学生の作文から勉強させられることってほんと多いですね。

この後、練習2をやらせると、 おかしな文を作る生徒がちらほらいました。
> ざ發呂△襪發里痢△韻舛澄/金はあるものの買わない。
> シ觝Г靴燭發里痢△垢以未譴拭
> など。「のに/けど」のほうがしっくりいく気がします。だから、「ものの」=「けど/のに」じゃないんだなと感じました。

これは「ものの」に限らず、中級以上で学習するいわゆる「機能語=複合接辞」と呼ばれるものは、(これまでの投稿でも書いたことですが)初級で学習文型と比べれば、使用できる「範囲が狭くなる」のが普通ですから、イコールであると考えると不自然な文が出来てしまいます。ですから、その「範囲」を説明できるのであれば、説明するのがいいでしょう。

そこで本題に入る前に、この「自然な日本語」の使い方についてちょっと復習しておきます。

(1)教科書の例文をじっくり観察して、さらに参考書などの例文を観察して、「使い方」で分類できるものがあれば分類しておく。
(2)その際に、用法の説明だけでおわらず、<一緒に使う言葉・表現、呼応する形>があれば、それを指導する。
(3)例文を補充する際には(1)と(2)を踏まえて、自然な日本語ができるように指導する。
(4)練習問題でそれを確かめる。

ゴンさんの場合、(4)をやった時に、不自然な日本語が出て来たわけですから、(1)と(2)が(もしかしたら3も)不十分だったと考えられます。私も今回の質問をいただいて、案の定自分の使った教科書にはそれについての書き込みがなかったので、例文を観察してみました。その結果を、特に問題となる「動詞」について私の考えをまとめておきます。

■<分類>について

ゴンさんが指摘したように、大きく「動詞」と「形容詞」に続く用法に分かれますが、「動詞」については
(ア)「〜た」の形
(イ)「ある」「〜ている」のような状態を表す動詞や形
(ウ)「〜る」の形
の3つに分類できます。このうち(ウ)は教科書で紹介されていませんし、やや難しい面もあるので取り上げなくてもいいかもしれません。(例:野球の解説者「ランナーは出るものの、なかなか点が入りません」)

■<一緒に使う言葉・表現、呼応する形>について

これが今回は一番ポイントになります。
教科書の例文は多くても5つくらですから、できれば参考書などでほかの例文も読んでみるのがいいです。
そうすると次のようなことに気が付くと思います。

(A)「過去の出来事」か「現在の状態」から通常期待、予想されることが「今」実現していない「状態」であるという意味である。
(B)したがって、意味としては、良くない「状態」(=問題アリの状態)であることを表すのが普通である。
(C)表現の分類(※一例です。網羅していません):
   1)「〜た」「〜の状態である」のは事実だが、“現状は”そこから期待されるような結果につながってない。
     『健康器具を買ったものの、まだ一回しか使っていない』
     『検定試験に合格したものの、まだ教壇に立ったことはない』
     『してはいけないと言われてはいるものの、好きなことはやめられない』

   2)「〜た」「〜の状態である」のは事実だが、実は目的を達成するには十分な“状態ではない”。
     『禁煙するとみんなの前で言ったものの、やめられる自信がない』
     『試験勉強のために教科書を開いたものの、なかなかやる気になれない』
     『機材は十分にあるものの、まだ使用許可がおりていない』

■不自然になる理由を考えてみる

このうち、AとBはゴンさんも投稿の中で触れていましたが、実は「 」でくくった部分が重要です。
つまり、
★自然な文のほとんどは「今の状態」を表す文になっています。
「“今現在”期待された状態ではない/不十分な状態」であることを「あ〜あ・・・」という気持ちで使う表現が「ものの」なのだと思います。

ですから、「〜けれども、〜する、しよう」という意味で、「〜ものの、〜する、しよう」という文=(これからするという)意志を表す文は不自然ですし、それと比べて意志性は低いですが、「〜けれども、〜しない」という否定の文も、(繰り返し、習慣なら別ですが)一回きりの行動を表す文では不自然になります。ゴンさんがあげた次の不自然な文はこの制限にひっかかっていると思います。

 ??「お金はあるものの、買わない」(「お金はあるけれども、(その物を)買わない」という意味では不自然)
  →○「お金はあるものの、(〜に使うお金だから、それは)買えない」(※このように「今の状態」を述べる文にすれば自然です)
  →○「お金はあるものの、買いたいものがない」(※やはり現在の状態です)

 ?「結婚したものの、すぐ別れた」(過去の事実に焦点が当たっている文だとやや不自然です)
   注:この文は上の文ほど不自然に感じない人もいると思います。「別れた」が「今は別れている」という状態につながるからでしょう。
     「大恋愛の末、結婚したものの、1か月で離婚してしまった」ならそう不自然ではないでしょう。
  →○「結婚はしたものの、出張ばかりでめったに一緒にいない」(※「今の状態」を述べる文)
  →○「結婚はしたものの、いっしょに暮らせるか心配だ」(※「今の状態」を述べる文)

※二つの○の文の上が(C)の分類の1)で、下が2)になるように作ってみました。

※例文を観察していると、「過去形」で終わる文も見つかりますが、おそらくそのほとんどが、「過去形」を使っていても、
(i)それが「現在までつながっている」か
(ii)その時の「現状」を表す文(報告文とか小説などで)と思います。

例「出そうと思って切手もはって準備しておいたものの、忙しくてすっかり忘れてしまった」(※今まで「忘れていた」の意味)
 「元気は人一倍あるものの、いざという時になるといつも尻込みしてしまっていた」

いよいよ最後の不自然な文ですが、これはいわゆる(?)「中抜き」の文だと考えられます。

 ??「お金はあるものの、けちだ」

「けれども」は逆接のつながりがあると“認められる”ものを包容力豊かに結びつけることができますが、もともと「範囲」が狭くなっている「ものの」はちょっと注意が必要です。次のように、そのひとを「けちだ」と評価する前の部分を補う必要があります。これは分類の1)の用法になる場合ですね。2)の用法になる場合もあわせて書いておきます。「ものの」の特徴がつかめると思います。

  →○「お金はあるものの、全然使おうとしない。あの人はほんとにけちだ」
     (この場合の「〜ない」は一回きりの行動ではなく、習慣を表すので“状態”と考えていいと思います)
  →○「お金はあるものの、知恵がない。(だからプロジェクトはいつも失敗する)」

以上です。気になって、『日本語文型辞典』(くろしお出版)、『日本語表現文型』(アルク)、『どんな時どう使う日本語表現文型500』(アルク)の例文にあたってもましたが、だいたい上の分類でいいのではないかと思います。ただ、“今の状態”について述べるという解説はいずれにも見られませんでした。ですから、上の考え方は「うわべ」だけなぞっている可能性もありますのでご注意ください。

No.716
投稿時間:03/05/08(Thu) 19:44
投稿者名:ゴン
Eメール:
URL :
タイトル:ありがとうございました。

 Oyanagiさん、こんにちは。今回も、どうもありがとうございました。私は「自分で文型を分析する」ということをしてないんだなぁと思いました。新しい文型がでてきたら参考書で調べて、終わり。じっくり見ることがなかったように思います。真剣に考えればもしかしたら私でも分析できたことがあったかな?これからはがんばって分析したいと思います。分析した結果、まだ不安があるようだったら、またOyanagiさんにご指導していただきたいと思います。
ありがとうございました。


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