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「熱は下がりましたが、咳が出ます」 「熱が」「咳が」のわけ スレッド削除
No.48-1 - 2016/04/04 (月) 06:31:27 - 上村雪乃
日本語教師とっておなじみ問題の、「が」と「は」の使い分けです。


「もう風邪は治りましたか」
「熱は下がりましたが、咳が出ます」 

この回答は、どうして「熱は」「咳が」となるのでしょうか。

対比の「は」ととるならば、咳についても対比とすべきで「熱は下がりましたが、咳<は>出ます」となるべきのように思えますが、「熱は下がりましたが、咳<が>出ます」のほうが自然に思えます。

咳は新情報だから「が」と考えるとするならば、「熱」も新情報なので「が」のような気がします。でも「熱<が>下がりましたが、咳が出ます」より「熱は下がりましたが、咳が出ます」のほうが自然に思えませす。

どうして「熱」と「咳」に対して、別の扱いになるのか、どう考えてもわかりません。

ひょっとして「熱が下がりました」という部分が、「熱についてはもうない」というのと同じ意味なので、感覚的には否定だから「否定の<は>」が使われているのだろうか、というような気もしますが、やっぱり納得できないです。

どうして「熱が」「咳は」なんでしょうか。
お手数ですが、お教えください。
 
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対比の捉え方の違い(つづき2) 削除/引用
No.48-4 - 2016/04/04 (月) 15:28:54 - oyanagi◆t0YRevJB
この点をもう少し調べるために、次のような文を考えてみました。(6)(7)はどちらも文脈が特定されないと、(1)のタイプで「Bは」が自然になると思います。ところが、対比すべきBに焦点を当て述べるような構文にすると、(2)のタイプの条件が明確になり、「Bが」が自然になるだろうと思います。いかがでしょうか。この場合、(2)で隠れていた「Xは」が現れやすくなる点も、「Bが」が自然になることと関係しているでしょう。

(6)「(私は)お金はないけど、時間は(/?が)あるよ」
(7)「(私は)恋人はいなけど、友達は(/?が)いるよ」

文脈を与えて
→(6)’「お金はないけど、(あなたには)自由に使える時間があるでしょう!」
→(7)’「恋人はいなけど、(あなたには)相談できる友達がいるじゃない!」

(6)’(7)’は、全体としては<対比>の要素が含まれていますが、(1)に見られるような典型的な対比とは異なることが感じられると思います。


ポイントを整理すると、対比といっても単純に一つのパターンに決まるわけではなく、一方には典型的に「〜は…、〜は…」(1)が現れるものがあり、もう一方には典型的に「〜は…、〜が…」(2)が現れるものがあり、話し手がどのように事態を捉えるかで使われる構文に違いが生まれるという点です。ですから、中間くらいものも(=どちらもよく使われるもの)もあるということですね。どちらのほうが自然になるかは、ほかの要因も関係していると思います。今回は、話し手の事態の捉え方と構文のつながりを手がかりに考えて見ました。考えるヒントになれば幸いです。

対比の捉え方の違い(つづき) 削除/引用
No.48-3 - 2016/04/04 (月) 15:24:54 - oyanagi◆t0YRevJB
このように考えると、同一のレベルでの対比として把握されるような構文では、(1)の構文が現れやすく、異なる側面の一方に焦点を当てて対比的に述べる構文の場合には(2)の構文が現れやすいことが予想されます。特に、出来事についての情報を対比的にまるごと述べるような場合は、(2)のほうがより自然になると言えるかもしれません。

(3)a(彼は)国語の成績はいいけど、数学{が/は}悪い
(3)b(彼は)成績はいいけど、素行{が/は}悪い
(4)a(このPCは)ダウンロードは速いけど、アップロード{が/は}遅い
(4)b(このPCは)処理速度は速いけど、デザイン{が/は}ださい
(5)a (今夜は)雪は降らないけど、雨{が/は}降るらしい
(5)b (今夜は)雨は降らないけど、風{が/は}強いらしいよ

上の例文は、いずれもaのほうが同一のレベルで対比する構文にしてみました。
aもbも「が」と「は」のどちらも使えますが、文脈が特定化されなければ普通はaなら「Bは」のほうが、bなら「Bが」のほうが自然でしょうか。ポイントは、bのほうは、「Bは」ももちろん自然ですが、「Bが」も同じ程度に自然に感じる点でしょう。

特に出来事について述べる(5)のような場合は、出来事を新しい情報としてまるごと述べるという意識と重なり、「咳が出る」と同様、むしろbのパターンのほうがより自然に感じる人が多いかもしれませんね。

対比の捉え方の違い 削除/引用
No.48-2 - 2016/04/04 (月) 15:20:28 - oyanagi◆t0YRevJB
上村さん、勉強部屋掲示板へようこそ。管理人のoyanagiです。
ホームページの管理からすっかり離れています。
さて、ご質問の件ですが、上村さんが指摘されたたように、対比であれば「Aは〜、Bは〜」となるのが基本ですね。書き込みの内容を読むと、すでに答えにつながる重要なことがすべて出ているように思います。それを私のほうで整理して、<何をどのように対比するか>という観点で「Bは」が現れやすいか、「Bが」が現れやすいかを説明してみたいと思います。

Aさんについて「熱が下がらない」ことと、Bさんについて「熱が下がった」ことを、つまりAさんとBさんの症状を対比するなら、「Aさんは熱が下がらないけど、Bさんは熱が下がった」のように「Aは〜、Bは〜」が表れます。このような異なる対象について対比することは今回の質問の内容とは直接関係ないと思います。

ご質問の「熱は下がりましたが、咳{は/が}出ます」では、同一人物(X)の「症状」について異なる側面(「熱(A)が下がった」ことと「咳(B)が出る」ことを)について対比する場合です。この場合、次のように考えて見たらどうでしょうか。
★<同一レベル>の対比という意識が強く働けば「Bは」が使われ、
★別の側面の「新規の情報をありのまま提示する」という意識が強く働けば「Bが」が使われる。

構文とのつながりで言い換えると、同一の物事(X)の異なる側面(AとB)を対比して述べる場合、(1)と(2)が考えられます。(Xは)は共通して了解されている場合は省略されて現れないことが普通です。

(1)(Xは)Aは…けど、(Xは)Bは…
(2)(Xは)Aは…けど、(Xは)Bが…

(1)では、AとBを同一のレベルで対比する意識が強い場合です。
(2)では、対比されるBに焦点を当てて、相手にとって新規の情報をまるごと差し出す意識が出る場合です。(つづく)

「熱は下がりましたが、咳が出ます」 「熱が」「咳が」のわけ 削除/引用
No.48-1 - 2016/04/04 (月) 06:31:27 - 上村雪乃
日本語教師とっておなじみ問題の、「が」と「は」の使い分けです。


「もう風邪は治りましたか」
「熱は下がりましたが、咳が出ます」 

この回答は、どうして「熱は」「咳が」となるのでしょうか。

対比の「は」ととるならば、咳についても対比とすべきで「熱は下がりましたが、咳<は>出ます」となるべきのように思えますが、「熱は下がりましたが、咳<が>出ます」のほうが自然に思えます。

咳は新情報だから「が」と考えるとするならば、「熱」も新情報なので「が」のような気がします。でも「熱<が>下がりましたが、咳が出ます」より「熱は下がりましたが、咳が出ます」のほうが自然に思えませす。

どうして「熱」と「咳」に対して、別の扱いになるのか、どう考えてもわかりません。

ひょっとして「熱が下がりました」という部分が、「熱についてはもうない」というのと同じ意味なので、感覚的には否定だから「否定の<は>」が使われているのだろうか、というような気もしますが、やっぱり納得できないです。

どうして「熱が」「咳は」なんでしょうか。
お手数ですが、お教えください。
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