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「結婚式に欠席する」「結婚式を欠席する」 スレッド削除
No.41-1 - 2011/11/01 (火) 19:42:38 - momoko
こんにちは!中国人です。いま日本語を教えています。皆さんにお尋ねしたいですが、「結婚式に欠席する」、「結婚式を欠席する」ってどっちが正しいですか?両方いけると思いますが、ニュアンス的に何が違うでしょうか?ご回答お待ちしております。ありがとうございます。:)
 
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「結婚式に欠席する」「結婚式を欠席する」 削除/引用
No.41-1 - 2011/11/01 (火) 19:42:38 - momoko
こんにちは!中国人です。いま日本語を教えています。皆さんにお尋ねしたいですが、「結婚式に欠席する」、「結婚式を欠席する」ってどっちが正しいですか?両方いけると思いますが、ニュアンス的に何が違うでしょうか?ご回答お待ちしております。ありがとうございます。:)

辞書の説明 削除/引用
No.41-2 - 2011/11/05 (土) 09:39:52 - oyanagi◆t0YRevJB (管理人権限投稿)
momokoさん、こんにちは。nihon5ch管理人のoyanagiです。
助詞の「に」と「を」の違いについてのご質問ですね。私は個人的には「を」のほうをよく使うとおもいますが、まずはgoogleを使ったネット上の使用例の検索結果を。
====
「結婚式に欠席する」+「結婚式に欠席した」=199,300件
「結婚式を欠席する」+「結婚式を欠席した」=328,000件(2011/11/02現在)
====

この数だけ見ると、どちらもよく使われていることがわかりますね。意味(ニュアンス)の違いを考える前に、二つの辞書の記述を紹介します。最初に『新明解国語辞典』第6版(三省堂)
====(引用開始)
<なにヲ―する><なにニ―する>
出るべき会合などに出ないこと。
〔狭義では、学生・生徒が学校を休むことを指す〕
====(引用終了)
この辞書の文型の記述によれば、「を」も「に」も使われるということがわかります。
次に例文が載っている『デジタル大辞泉』(小学館)です。
====(引用開始)
[名](スル)出席すべき会合などに出ないこと。また、生徒や学生が学校を休むこと。
「同窓会に―する」「授業を―する」
====(引用終了)
「同窓会」には「に」が、「授業」には「を」が使われています。母語話者の直感として「授業」「学校」の場合、つまり新明解国語辞典が「狭義」の意味としている用法では、「を」を使わないと非常に不自然に感じます。事実、googleを用いたウェブ上の検索では次のような結果になりました。
====
「学校に欠席した」   5件
「学校を欠席した」246,000件(2011/11/02現在)
====
以上のことから、「授業」「学校」の場合は「を」が使われるけれども、それ以外のとき、例えば「○○式」「○○会議」「○○委員会」「○○研究会」「○○審議」「○○採決」などには「に」も「を」も使われているのではないかと予想ができます。

(つづく)

意味の違い 削除/引用
No.41-3 - 2011/11/05 (土) 09:41:38 - oyanagi◆t0YRevJB (管理人権限投稿)
「に」と「を」の使い分けは、ベースになっている【事態の捉え方】の違いが関係しているのだろうと思います。

(1)「出席する」 ⇒ 「〜に出席する」 
      |  
    【〜に出る】       

(2)「欠席する」⇒ 「〜に欠席する」
      |   
   【〜に出ない】

(3)「欠席する」⇒ 「〜を欠席する」
      |
   【〜を休む】

「学校」「授業」の場合は(3)の「〜を休む」の【事態の捉え方】、つまり《その場所で継続的・断続的に活動している人が、ある時間・期間そこから離れて、そこでの活動をしない》という捉え方が強く働いて、「を」でないと不自然になるのだろうと思います。

ちなみに「会社」の場合は「出勤」「欠勤」というペアの熟語がありますが、こちらは(1)(3)が基本で「〜に出勤する」「〜を欠勤する」となり、(2)のパターン「〜に欠勤する」は普通使われないようです。これも「欠勤する」が(3)の「休む」の意味に強く影響されているからだと言えます。(下はgoogleでの検索結果)
====
「会社に欠勤した」 2 件
「会社を欠勤した」21,800 件(2011/11/02現在)
====

「学校」「授業」以外の名詞であれば、「を」も「に」も使われるだろうと思います。ほとんど意味の違いを意識しないで使われている場合もあると思いますが、上に書いた【事態の捉え方】をあてはめると次のようになります。

■両方使う場合の【事態の捉え方】

「○○に欠席する」は:「○○に出席する」の否定という側面に焦点が当たって
           《本来 出るべき○○に出ない》というを表す。
「○○を欠席する」は:「○○から離れていて、○○と関係を持たない」という側面に焦点が当たって
           《本来 出るべき○○に出ない》というを表す。
          
結果として「○○に欠席する」も「○○を欠席する」も《本来 出るべき○○に出ない》という点では共通しているので、取り立てて説明するような「意味の違い」はないのだろうと思います。あるのは【事態の捉え方】の違いだと思います。

ただし、【事態の捉え方】が違うのであれば、場合によっては「ニュアンスの違い」が生まれることも予想されます。使う人によっては、「○○に欠席する」のほうでは、単に「出欠」についてどっちなのかという態度だけを読み取り、「○○を欠席する」のほうでは、それ以上に○○に対する何らかの【話者の態度】を強く読み取るかもしれません。このような【話者の態度】は「ボイコットする」のような動詞の場合は顕著になります。結果的に「○○に出ない」ことを表しますが、話者の「参加を拒否する」という態度が強く表れるので、「〜にボイコットする」ではなく「〜をボイコットする」を使うのが普通です。

最後に、googleを使って検索してみた感想を。
同じ名詞を入れて「に」と「を」だけ変えて検索すると、たいてい「を」のほうがたくさんヒットします。その差が大きいか小さいかの判断はできませんが、全体としては「を」のほうが比較的よく使われると言えるかもしれません。(※あくまで推測です)

■まとめ
以上をまとめると、「結婚式に欠席する」も「結婚式を欠席する」もどちらも正しい表現で、ただ事態の捉え方によって「に」になったり「を」になったりします。人によっては「を」を使うと、結婚式に対する【話者の態度】がより強く出ると感じる場合もあると考えられます。

何か不明なところがあったら、遠慮なくご質問ください。

ご連絡ありがとうございました! 削除/引用
No.41-4 - 2011/11/09 (水) 11:12:23 - momoko
oyanagi◆t0YRevJB様:
ご連絡ありがとうございます!
ご多忙のところ、ご返事いただきありがとうございます。
大変詳しく説明していただき、本当に感動しました。
勉強になりました!
今後とも宜しくお願いします。
4件 ( 1 〜 4 )  新 | 古  1/ 1. /1 [ ▼降順 | ▲昇順 ]



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