oyanagiの勉強部屋 掲示板


(since 2006.10.20) (今日) (昨日)

閲覧は自由にできますが、投稿するにはユーザー登録が必要です。(だれでも自由にできます)
 【こちら】の利用規程に同意の上、登録手続きにお進みください。

スレッド作成 || スレッド一覧 || ウォッチリスト || 終了

このスレッドをウォッチリストに追加 (ウォッチリストから削除)
逆接の「が」 スレッド削除
No.26-1 - 2008/10/03 (金) 11:36:23 - こいけはやと◆kFvel73F
お世話になります。よろしくお願いします。
420時間の養成講座を受講し検定試験も合格しました。元々職業にするつもりはなかったので地域のボランティア教室などをのぞいていますが、なかなか自分に合ったところを見つけられず勉強の成果を生かせずにいます。

さて、「みんなの日本語」8課で形容詞と「そして」「が」が出てきます。順接と逆接ということだと思います。
「教え方の手引き」では、104ページの<留意点>に「以下のように示すとよい」と表があります。

 +そして+ / −そして−
 + が − / − が +

しかしこれでは落とし穴にはまる可能性があることは「形容詞のテ形 導入」で拝読しました。
http://nihon5ch.net/contents/bbs-study/old/mie-bbs.cgi?s=180
また「初級を教える人のための日本語文法ハンドブック」(230ページ)には以下の解説がありました。
「逆接とは、広い意味で、前件から予想されるのとは反対のことがらが後件に来るような関係のことを言います」。

ところが練習B―4.例2 日本の車はどうですか。 …高いですが、いいです。

これは前件の「高い」からの予想に後件の「いい」は反していません。
そこで2つの考えが浮かびました。

A)この「が」は逆接ではない。→では何なのか?
B)「前件から予想されるのとは反対のことがらが後件に来る(ハンドブック)」という【対立】も「プラス対マイナス(手引き)」という【対立】も逆接である。

A、Bいずれと考えるべきでしょうか。
 
このスレッドにメッセージを投稿


4件 ( 1 〜 4 )  新 | 古  1/ 1. /1 [ ▼降順 | ▲昇順 ]

ありがとうございます。よくわかりました。 解決済み 削除/引用
No.26-4 - 2008/10/06 (月) 10:24:55 - こいけはやと◆kFvel73F
早速の、そしてまた詳しくわかりやすいご説明ありがとうございました。
この段階の学習者に順接だの逆接だのと説明する必要はない、手引きのやり方でよいと思いつつ、自分自身がすっきりしていなかったので質問させていただきました。
今後もよろしくお願い致します。

二段階で考えてみましょう(2) 削除/引用
No.26-3 - 2008/10/05 (日) 20:52:57 - oyanagi◆t0YRevJB
(つづきです)

■第二段階
ところが、はたして、この「が」はどういう「が」なのかと疑問に思う点があることも確かです。それは日本語の母語話者が直感的に感じるように、そこに〈逆接〉の意味と〈順接〉を読み取るからだろうと思います。そして疑問をいだかせる張本人は、「いい(です)」という述部です。(3)以外は、ちゃんと+か−の評価がわかる形容詞(形容動詞)が使われていますが、これだけが「いい」が使われています。おそらく、日本人は、「〜が、いいです」という文型から、二つのタイプの〈逆接〉を読み取ります。

ここでは、便宜的に、〈逆接〉のつながりを次のような3つのタイプに分けて考えておくことにしましょう。
「Xですが、いいです」
(A)Xがマイナス評価と、「いいです」というプラス評価の組み合わせ。
(B)Xから通常「よくない」という評価が予想されるが、実際は「いい」という評価である 
(C)Xから通常予想されるマイナス評価の事態があることは認めるモノノ、当然とこととして「いい」という評価である。

Aは8課の練習の目的で、Bが通常の逆接で、Cはやや特殊は逆接です。

BとCの違いは次のような対立する文を考えるといいでしょう。
「いいです」は(9)(10)(11)のように反対の形容詞でも文は成立しますが、前件と後件のつながりは異なります。
(9)A社の車は、高いですが、いいです。
(10)B社の車は、高いですが、悪いです。
(11)C社の車は、安いですが、いいです。

どのような関係で前と後ろが繋がっているかを、表に出てこない部分をあぶりだしてみましょう。
【 】の部分が隠れている内容です。
(9)→A社の車は、高いです【から、なかなか普通の人は買えないのです】が、【車[の品質]は[当然]】いいです。
(10)→B社の車は、高いです【から、[品質が]良いと予想されます]が、【車[の品質]は】悪いです。
(11)→C社の車は、安いです【から、[品質が]悪いと予想されます】が、【車[の品質]は】いいです。

このような含意を考えると、どれも〈逆接〉の「内容」を含んでいますが、そのタイプが異なることがわかります。
(10)(11)がタイプ(B)で、(9)がタイプ(A)です。


(9)の文は、実は(12)のような〈順接〉内容と接近しています。このような事情も混乱する要因の一つでしょう。
(12)A社の車は、高いから、[当然品質は]いいです。

以上、まとめると次の2点になります。
★第8課の練習問題では、「そして」との対比として「が」が導入されているので、「が」については、〈逆接〉の意味のつながりまでは踏み込む必要がない。「高い」と「いい」もプラスとマイナス評価の組み合わせのレベルで処理できる。

★もし〈逆接〉のつながりを考えると、「〜が、いいです」という構文は、二つのタイプの〈逆接〉のつながりが想定され、一方は〈順接〉とも接近していて混乱を招きやすい。

最後に、比較のための例文を追加しておきます。
(13)あの俳優は、ギャラは高いですが、演技はいいです。=Cタイプ
(14)あの俳優は、ギャラは高いですが、演技はへたです。=Bタイプ

■蛇足
今回は「が」に絞って書きましたが、「〜。そして〜」も前の内容と後ろの内容とが因果関係をもつような単語になると、「そして」が使いにくくなる場合があります。つまり、〈順接〉〈逆接〉のつながりが意識されてしまう場合です。これについては、過去ログを既に読まれているようですが、また別の意味で指導上の注意が必要かと思います。(触れないで済むように練習する例文を吟味するのがいいでしょう)
例えば、上の(13)は、マイナスとプラスなのでAタイプのレベルで考えても、「ギャラは高いですが、演技はいいです」となって、問題ありませんが、(14)はタイプAのレベルで考えれば、マイナスとマイナスで、「ギャラが高いです。そして演技がへたです」となるはずですが、この文は日本語としてちょっと不自然な感じがします。このような内容の場合、逆接の文脈が読み込まれて、(14)のように言うのが自然だと考えられます。

こんなふうに考えてみましたが、いかがでしょうか。ご参考になれば幸いです。

二段階で考えてみましょう(1) 削除/引用
No.26-2 - 2008/10/05 (日) 20:51:58 - oyanagi◆t0YRevJB
こいけさん、こんにちは。勉強部屋掲示板へようこそ。週末は学校の行事があり、ご返信が遅くなりました。
私の考えでは、以下に示すように、二段階に考えて、現場のニーズに合わせて処理されるのがいいかと思います。
■第一段階
『みんなの日本語』8課の文型は、手引きにあるように、
 +そして+ / −そして−
 + が − / − が +
で、理解できて、練習できるように設計されているのだろうと思います。
「そして」というのは、繋ぐ内容が矛盾していてはいけないので、「プラス評価の内容」の場合は「プラス」、「マイナス評価の内容」の場合は「マイナス」がつづきます。そして、この8課では“そうでない場合の文型”として「〜が〜」が導入されています。ですから、〈順接〉の「から」「ので」対〈逆接〉の「が」のような構図でとらえないほうが混乱が少ないだろうと思います。

それを踏まえて、改めてこの教科書の内容を分析すると、次のようになっています。
例文は通し番号にして、重複しているものは省略しています。

<例文>p.64
(1)古いですが、とてもおもしろい映画です。
   (その映画:古い:おもしろい)
<会話>p.65
(2)「お仕事は、どうですか」「忙しいですが、おもしろいです」
   (仕事:忙しい:おもしろい)
<練習B-4>p.67
(3)「日本の車はどうですか」「高いですが、いいです」
   (日本の車:高い:いい)
(4)「会社の寮はどうですか」「古いですが、きれいです」
   (会社の寮:古い:きれい)
(5)「日本の食べ物はどうですか」「おいしいですが、高いです」
<練習C-1>p.69
(6)「日本語の勉強はどうですか」「おもしろいですが、難しいです」
   (日本語の勉強:おもしろい:むずかしい)
(7)「大学の寮はどうですか」「小さいですが、きれいです」
   (大学の寮:小さい:きれい)
(8)「日本の生活はどうですか」「忙しいですが、楽しいです」
   (日本の生活:忙しい:楽しい)

( )に示したように、前件の単語の意味と後件の単語の意味だけから、「+」と「−」の組み合わせになっていることが理解できます。ご質問の(3)についても、単に+と−の組み合わせという視点で捉えれば、「そして」ではなく、「が」でつなげればいいと了解できます。

逆接の「が」 削除/引用
No.26-1 - 2008/10/03 (金) 11:36:23 - こいけはやと◆kFvel73F
お世話になります。よろしくお願いします。
420時間の養成講座を受講し検定試験も合格しました。元々職業にするつもりはなかったので地域のボランティア教室などをのぞいていますが、なかなか自分に合ったところを見つけられず勉強の成果を生かせずにいます。

さて、「みんなの日本語」8課で形容詞と「そして」「が」が出てきます。順接と逆接ということだと思います。
「教え方の手引き」では、104ページの<留意点>に「以下のように示すとよい」と表があります。

 +そして+ / −そして−
 + が − / − が +

しかしこれでは落とし穴にはまる可能性があることは「形容詞のテ形 導入」で拝読しました。
http://nihon5ch.net/contents/bbs-study/old/mie-bbs.cgi?s=180
また「初級を教える人のための日本語文法ハンドブック」(230ページ)には以下の解説がありました。
「逆接とは、広い意味で、前件から予想されるのとは反対のことがらが後件に来るような関係のことを言います」。

ところが練習B―4.例2 日本の車はどうですか。 …高いですが、いいです。

これは前件の「高い」からの予想に後件の「いい」は反していません。
そこで2つの考えが浮かびました。

A)この「が」は逆接ではない。→では何なのか?
B)「前件から予想されるのとは反対のことがらが後件に来る(ハンドブック)」という【対立】も「プラス対マイナス(手引き)」という【対立】も逆接である。

A、Bいずれと考えるべきでしょうか。
4件 ( 1 〜 4 )  新 | 古  1/ 1. /1 [ ▼降順 | ▲昇順 ]



暗証キー

※解決済みスレッドへの投稿はできません。


キーワード  曖昧検索