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結果の状態の「ています」と期間を表す表現について スレッド削除
No.36-1 - 2009/12/04 (金) 17:13:42 - こいけはやと◆kFvel73F
お世話になります。また質問させていただきます。
「日本語教科書の落とし穴(アルク)」第13課 〜ています [2]結果の状態 111ページからです。

(引用)----------------------------------------------
また、結果の状態を表す「〜ています」は普通、(8)のように期間を表す表現といっしょには使えません。この場合は、(9)のような文型を使うことも押さえておきたいことの一つです。
(8)*3年間結婚しています。
(9)結婚して3年になります。
------------------------------------------------------

なるほどと思いましたが、当てはまらない場合があるように思います。
同じ[2]結果の状態 の項目に次の例文があげられています(110ページ)。

(引用)----------------------------------------------
(4)電気がついています。
(9)窓が開いています。
------------------------------------------------------

これらはたとえば次のように言えると思います。
(4')3時間電気がついています。
(9')1日中窓が開いています。


この項目は「みんなの日本語」では14課、15課に当たるということが巻末にありましたので15課で提出される動詞でも考えてみました。

A)1時間立っています/座っています。
(「結果の状態」だと思いますし「期間を表す表現(1時間)」を入れても何ら問題ないと思います)

B)2年間知っています。
(これは不自然ですね。使える文脈があるのでしょうか。よくわかりません)

C)3年間住んでいます。
(全く問題ないでしょう)


「落とし穴」の説明では「普通」と逃げを打っているようにも思いました。どういう場合に結果の状態の「ています」と期間を表す表現があわせて使え、どういう場合に使えないのか、考えあぐねています。ご見解を伺えれば幸いです。
 
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よくわかりました 解決済み 削除/引用
No.36-8 - 2009/12/09 (水) 11:01:15 - こいけはやと◆kFvel73F
いつもながら詳しく、かつわかりやすい解説をありがとうございます。

(「動詞の分類について」から引用)--------------------
引用していただいた部分を見る限り、説明の仕方が不適切だという印象を受けました。
------------------------------------------------------

同書には「ています」と期間を表す表現がいっしょに使えないことについての説明は、引用した以上のものは見あたりません。

質問の投稿をしたあとであれこれ考え、「その状態に終期が想定されるか」ということで何とかなるのではないか、と思い至りました。ご説明の〈繰り返し性〉に当たるのかと思います。

ご説明を読んで「自分の考えも外れてはいなかったぞ」と何かうれしいです。
「落とし穴」を読んだとき直感的に「あれ、何か変だな」思ったことについても「自分の能力もまんざらじゃないぞ」とちょっと自信が湧きました。(^_^)

今後ともよろしくお願いいたします。

図の崩れ 削除/引用
No.36-7 - 2009/12/09 (水) 10:24:36 - oyanagi◆t0YRevJB
こんちは。oyanagiです。
投稿後に確認してわかったのですが、図が一部崩れていて、読みにくくなっていますね。
例えば「|」と文字が上下でちょっとずれているところがありますが、その辺は適当に推測を働かせて読み取ってください。m(_ _)m
(どうも半角の文字やスペースがうまく反映しないようです。)

まとめと参考情報 削除/引用
No.36-6 - 2009/12/09 (水) 02:34:00 - oyanagi◆t0YRevJB
■まとめ
 
 以上の分類は、網羅的なものではありません。実際にはもう少し細かくみていかないと、様々な動詞を分類することはできません。しかし、このように動詞を分類してみれば、「(ドアが)開く」と「結婚する」は同じタイプ2ですが、その意味概念あるいは動詞が表す事態の把握の仕方は異なることとわかります。前者は〈繰り返し性〉が認められる動詞なので、(「する」および)「○○時間〜ている」によってその“一時的な期間”を表すことが可能です。それは「1時間座る/座っている」と言えるのと理由は同じです。

 ところが「結婚する」は「未婚から既婚」への社会的な属性の変化を表すものの、変化の捉え方としては〈繰り返し性〉はありません。「既婚状態」から「未婚状態」への変化は、「立つ」から「座る」への変化と平行的には捉えられないということです。「結婚する」はある一つの変化デキゴトが成立するというところに焦点が当たっており、「そうでない状態への変化」を前提した“一時的な期間”を、「○○時間〜ている」という形式で表現することはできないというわけです。したがって、「3年間入学している/生まれている/死んでいる/始まっている」が言えないのと同じように、「3年間結婚している」も日本語では許容しがたい使い方です。
 このような2-2のタイプの動詞は、★イメージ図が示すとおり、変化成立時点(a)を起点にして「〜てから○○時間/年になる」という言い方をするのが自然になるというわけです。

         (a) 結果状態
         |===========>
    ++++++ |      ↑
       〜てから○○年になる
       〜てから○○年たつ

ただし、強制的に〈一時的な状態の期間〉という用法にすれば使えないことはありません。例えば、「役所の手違いで、彼は3年間結婚していたことになっている」とか。

■参考情報
 上の動詞の分類はずいぶん前に読んだ『日本語文法研究序説』仁田義雄(1997)くろしお出版の「アスペクトと動詞の下位類」(pp.234-241)に刺激を受けて、その後得た知識を自分なりに整理して作ったものです。今回のご質問を受けて、久しぶりに見直して一部修正してまとめてみました。

分類の中身3(タイプ2-2) 削除/引用
No.36-5 - 2009/12/09 (水) 02:32:32 - oyanagi◆t0YRevJB
*2-2:「変化」を表すが、その変化は(通常は)〈繰り返し性〉をもたないと認識される
     ※意味的には<変化のデキゴト>を表すため、
      結果状態が目に見える場合は【結果状態】の意味が強くでるが、
      そうでない場合は、【完了・経験】の意味にかなり近づく

   ・発生/消滅にかかわる動詞
    :死ぬ、生まれる、見つかる、なくなる、(事故が)起る
     註)「決まる」もここに入れていいでしょう。
     註)実は、着点/発点に焦点があたる移動動詞もここに含めるのが適当でしょう。
       「着く」「到着」「届く」
       「出発する」「去る」
   ・開始/終了にかかわる動詞
    :始まる、終わる
   ・社会的な身分(属性)変化にかかわる動詞
    :入学する、卒業する
    :結婚する、離婚する

   ★「ている」は【結果状態】を表す
   ★イメージ図

        (a) 結果状態
         |===========>
    ++++++ |

*「時副詞」について
 ※「○○時間デ〜スル」は、変化が成立するまでの時間を指す。

   例 「(あと)1時間でこのドアは開く」
     「(あと)1時間でこの電気は消える」
     「(あと)1時間で部屋から出る」
     「(あと)1時間で日程が決まる」
     「(あと)1時間で映画が始まる」
     「(あと)1か月で離婚する」

 ※「○○時間〜スル/シテイル」は、変化成立後の時間を指すが、
   タイプ2-1で成立するが、タイプ2-2では成立しない/しがたい

   例 OK 「(毎日)このドアは1時間(だけ)開く/開いている」
     OK 「(疲れたので)1時間座った/座っていた」
     OK 「1時間寝た/寝ていた」
     OK 「1時間お風呂に入った/入っていた」
     非文「彼は1時間死んだ/死んでいる」(→死んでから1時間たった)
     非文「旅行の予定が1時間決まった/決まっている」(→決まってから1時間たった)
     非文「彼は1時間到着した/している」(→到着してから1時間たった)
     非文「授業は1時間始まった/始まっている」(始まってから1時間たった)
     非文「彼は1年間結婚した/している」(→結婚してから1年たった)

分類の中身2(タイプ2-1) 削除/引用
No.36-4 - 2009/12/09 (水) 02:29:40 - oyanagi◆t0YRevJB
●タイプ2(変化を表す)
註)ここでは変化する対象が主語になる自動詞を扱います。次の二つは動詞は省略します。
    ・対象が変化する意味を表す他動詞
      例:殺す、壊す、作る、など
    ・対象が(位置)変化し、かつ動作主も変化する意味を表す他動詞(再帰変化動詞)
      例:着る、持つ、知る、など

註)ここでは〈繰り返し性〉という用語を用いますが、誤解されやすい用語かもしれません。これは「そうなる」ことから「そうでなくなる」ことへ、そしてまた「そうなる」ことへの変化が経験から得られた知識によって把握されているということです。つまり、「そうなっている状態」が「ある一定期間」に成立しているだけだと認識されることです。

*2-1:「変化」を表し、かつ変化が〈繰り返し性〉をもつと認識される
   (「そうなる(a)」→「そうでない状態になる(b)」→「そうなる(a)」)
     (立つ)   (立っていない/座る/横になる)  (立つ)

   無意志動詞の一部:
    (ドアが)開く・閉まる、(電気が)つく・消える、(車が)止まる
   意志動詞のうち結果状態を〈維持〉するという過程が認められるもの:
    ・姿勢変化動詞:立つ、座る
    ・活動変化動詞:寝る、黙る、止まる
    ・位置変化動詞:入る、出る、乗る、(二階に)上がる
    
    註)境遇性をもつ移動動詞もここに入れてもいいかもしれません。
      :行く、来る、戻る、帰る

   ★「ている」は第一に【結果状態(の維持)】を表す
     例「今、ドアは開いている」
     例「今、太郎は座っている」

   ★イメージ図
    (「そうなる(a)」→「そうでない状態になる(b)」→「そうなる(a)」)

        (a)    (b)    (a)
        |======|    |======|-->
    ++++++|    |++++++|    
         結果   結果
         状態   状態

   ★「ている」は動詞によっては、【変化過程の最中】を表す
    【変化過程の最中】・・・イメージ図の(1)の部分
     「少しずつドアが開いている」
    【結果の状態(維持)】・・・イメージ図の(2)部分
     「今ドアは開いている」

   ★イメージ図 (変化過程は「/」の部分)

         (a)    (b)    (a)
       /|====|\       /|====|->
   +++ |/       \|+++|/ 
      (1)  (2)  

(「分類の中身3」につづく)

分類の中身1(タイプ1) 削除/引用
No.36-3 - 2009/12/09 (水) 02:24:59 - oyanagi◆t0YRevJB
■動詞のアスペクト特性と事態の把握の仕方による分類
 アスペクト的な意味特徴によって動詞を分類することはよく行われますが、今回のご質問を考えるには、次のようなアスペクト特性と事態の把握の仕方による分類の仕方が有効だと考えられます。伝統的な金田一の動詞四分類の「継続動詞」と「瞬間動詞」では不十分です。
 
 アスペクトについ言えば、下の分類はあくまでも語彙的なアスペクト特性によるもので、語用論的に解釈されるアスペクトとは別物です。(例えば、「飲んでいる」は基本的なアスペクトから見えれば【進行中】を意味しますが、「あ、こいつは睡眠薬を飲んでいるな」(検査の結果、睡眠薬の成分が検出された場合)のように語用論的には【結果状態】(または「そのお酒は去年飲んでいる」のようなパーフェクトと呼ばれる用法)になることができます。ただし、下位分類にあたっては、アスペクトとは別に、わたしたちが事態をどのように捉えているかという側面にも焦点を当てます。今回のご質問について言えば、これが重要な視点となります。

 まず動きを表すのか変化を表すのかで大きくタイプ1と2に分けます。そして内在するアスペクト特性と典型的な事態の把握の仕方によって下位分類します。説明の中で「○○時間」という表現を使いますが、「時間」は時名詞の代表として使っています。

●タイプ1(動きを表す:変化は含まない)

*1-1:「動き」を表し、かつ「幅」(p→q)がある
     (=「○○時間〜スル」と言える)
   いわゆる〈継続動詞〉と呼ばれる動詞:食べる、話す、走る、など

   ★「ている」は【動作継続(進行中)】を表す
     例「今ごはんを食べている」

   ★イメージ図
       p     q
    ・・・・・・|=======|・・・・・・>
        進行中

*1-2:「動き」を表すが、「幅」がない(=「○○時間〜スル」と言えない)
   発見する、見つける、目撃する、(事故に)遭う、など
   ★「ている」は【完了・経験】しか表せない
     例「太郎はUFOを目撃している
   ★イメージ図
       p=q
    ・・・・・・||・・・・・・>
        完了・経験

*「時副詞」について
 ※「○○時間デ〜スル」は、二つの解釈がある
   タイプ1-2は動きに「幅」がないので(1)と(2)は(事態の把握としては)同時である。
   (1)動きの開始までの時間を指す
   (2)動きの終了までの時間を指す
      例「(あと)1時間で食べる」(=食べ始める)
       「(あと)1時間で食べる」(=食べ終わる)
       「(あと)1時間で見つけなければならない」

 ※「○○時間〜スル/シテイル」は、動きの全体の時間を指す
   タイプ1-1では成立するが、「幅」がないタイプ1-2では成立しない/しがたい
    例 OK「1時間食べる/食べている」
      非文「1時間見つける/見つけている」

(「分類の中身2」につづく)

動詞の分類について 削除/引用
No.36-2 - 2009/12/09 (水) 02:23:14 - oyanagi◆t0YRevJB
 こいけはやとさん、こんにちは。oyanagiです。週末はいろいろとあって、書き込みが遅くなりました。
実は手元に「日本語教科書の落とし穴(アルク)」がないため、全体の構成の中でどのように問題の部分が提示されているのか、確認していないのですが、引用していただいた部分を見る限り、説明の仕方が不適切だという印象を受けました。

 このようなアスペクトの問題は、以前から動詞の意味に内在するアスペクト(語彙的なアスペクト)とのつながりで論じられると思いますが、『結果の状態を表す「〜ています」は普通、(8)のように期間を表す表現といっしょには使えません』のように言う場合、なぜ使えないのか、その理由をきちんと考えることが大切だと思います。

■結論
 結論を先に言うと、この問題は私たちが事態をどう把握しているかということが深くかかわっていると思います。「(電気が)つく」と「結婚する」では、同じ「変化」を表す動詞で「ている」が【結果状態】を意味していても、前者は〈繰り返し性〉が認められる動詞(下の分類で「2-1))で、後者はその二つが認められない、いわば「変化のデキゴト動詞」(下の分類で「2-2)」)とでも呼ぶべきタイプの動詞だからと考えられます。以下で具体的に分類したものを提示しますので、参考になさってください。

(「分類の中身1」につづく)

結果の状態の「ています」と期間を表す表現について 削除/引用
No.36-1 - 2009/12/04 (金) 17:13:42 - こいけはやと◆kFvel73F
お世話になります。また質問させていただきます。
「日本語教科書の落とし穴(アルク)」第13課 〜ています [2]結果の状態 111ページからです。

(引用)----------------------------------------------
また、結果の状態を表す「〜ています」は普通、(8)のように期間を表す表現といっしょには使えません。この場合は、(9)のような文型を使うことも押さえておきたいことの一つです。
(8)*3年間結婚しています。
(9)結婚して3年になります。
------------------------------------------------------

なるほどと思いましたが、当てはまらない場合があるように思います。
同じ[2]結果の状態 の項目に次の例文があげられています(110ページ)。

(引用)----------------------------------------------
(4)電気がついています。
(9)窓が開いています。
------------------------------------------------------

これらはたとえば次のように言えると思います。
(4')3時間電気がついています。
(9')1日中窓が開いています。


この項目は「みんなの日本語」では14課、15課に当たるということが巻末にありましたので15課で提出される動詞でも考えてみました。

A)1時間立っています/座っています。
(「結果の状態」だと思いますし「期間を表す表現(1時間)」を入れても何ら問題ないと思います)

B)2年間知っています。
(これは不自然ですね。使える文脈があるのでしょうか。よくわかりません)

C)3年間住んでいます。
(全く問題ないでしょう)


「落とし穴」の説明では「普通」と逃げを打っているようにも思いました。どういう場合に結果の状態の「ています」と期間を表す表現があわせて使え、どういう場合に使えないのか、考えあぐねています。ご見解を伺えれば幸いです。
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